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BAN2401、早期AD対象のP2試験の追加データを発表-エーザイら

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2018年10月30日 AM10:45

due to ADと早期AD患者856人を対象に

エーザイ株式会社と米バイオジェン社は10月25日、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体BAN2401の早期アルツハイマー病()856人を対象とした臨床第2相試験(201試験)の新たなデータをスペインで開催された第11回アルツハイマー病臨床試験会議(Clinical Trials on Alzheimer’s Disease: CTAD2018)におけるシンポジウムセッションで発表した。

201試験は、アミロイドの脳内蓄積が確認されたアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)および軽度アルツハイマー病(早期AD)患者856人を対象とした、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化臨床第2相試験。被験者はプラセボ投与群および実薬投与群として2.5mg/kgバイウィークリー(2週間に1回)、5mg/kgマンスリー(月1回)、5mg/kgバイウィークリー、10mg/kgマンスリー、10mg/kgバイウィークリーの5用量5群に割り付けられた。試験では、中間解析の結果によって、より治療効果が高いと判定された投与群への割付比率を自動的に高めるベイジアンアダプディブランダム化デザインが用いられた。

その結果、BAN2401の10mg/kgマンスリーおよび10mg/kgバイウィークリーの高用量投与2群の治療効果が高いと判定され、結果として両群への割付比率が高くなった。また、試験では臨床エンドポイントについて、ADCOMS(Alzheimer’s Disease Composite Score)、ADAS-cog(Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale)、CDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)の評価指標によるベースラインから18か月までの変化をあらかじめプロトコルで定められた伝統的統計手法により評価した。

脳内アミロイド減少と臨床症状進行抑制の間の相関性を確認

伝統的解析手法を用いたトップライン結果として、投与後18か月時点において、BAN2401最高用量投与群(10mg/kgバイウィークリー)は、アミロイドPET測定による統計学的に有意な脳内アミロイド蓄積の減少を示した(p<0.0001)。また、BAN2401最高用量投与群は、投与後18か月時点の臨床エンドポイント解析(ADCOMS)において、プラセボ投与群に比較して統計学的に有意な症状の進行抑制を示した(30%抑制、p=0.034)。

今回、新たな解析結果として、BAN2401投与による脳内アミロイド減少と臨床症状進行抑制(ADCOMSによる評価)の間の相関性が確認された(Pearson相関係数:rp=0.838)。また、ベースラインからの臨床症状(ADCOMSによる評価)の進行の変化の傾きについて、線形回帰モデルを用いた解析において、BAN2401最高用量投与群は、プラセボ投与群と比較し18か月を通じ統計学的に有意な傾きの変化を示し(p<0.001)、同剤による疾患修飾効果の可能性が示唆された。

同試験においては、2014年7月の規制当局からの要請により、APOE4陽性患者についてBAN2401最高用量投与群への割付が制限された結果、同群のAPOE4陽性患者の割付についてプラセボ投与群との不均衡が生じたが、プラセボ投与群のAPOE4陽性、陰性それぞれの部分集団間における臨床症状悪化の進行スピードを解析した結果、悪化の進行スピードに統計学的な有意差は確認されなかった。さらに、事前に規定したAPOE4ステータス(陽性または陰性)の部分集団における解析では、BAN2401最高用量投与群における18か月時点のプラセボ投与群に対する臨床症状の進行抑制(ADCOMSによる評価)は、APOE4陽性群で63%抑制、APOE4陰性群で7%抑制だった。

これらの結果から、BAN2401最高用量投与群における臨床症状の進行抑制効果がAPOE4割付の不均衡に起因するものではなく、BAN2401そのものの治療効果と関連することが示唆された。加えて、10 mg/kgバイウィークリー投与群と10 mg/kgマンスリー投与群を統合すると、APOE4陽性群と陰性群の比率についてプラセボ投与群との不均衡が解消されるが、本統合群においてもプラセボ投与群に対する臨床症状の進行抑制(ADCOMSによる評価)が示されている(全体:21%抑制、APOE4陽性群:25%抑制、APOE4陰性群: 6%)。

次に、BAN2401最高用量投与群における18か月時点のプラセボ投与群に対する臨床症状の進行抑制(ADCOMSによる評価)について、事前に規定した部分集団解析を行った結果、臨床ステージ(MCI due to AD群:33%抑制、軽度AD群:35%抑制)および他のAD治療剤併用の有無(併用あり群:23%抑制、併用なし群:41%抑制)のいずれの部分集団においても、臨床症状の進行抑制を示した。さらに、ADの患者において値が上昇する神経変性に関する脳脊髄液中(CSF)のバイオマーカーの探索的検討結果も発表された。CSFサンプル数を増加して解析するためBAN2401 10mg/kgバイウィークリー投与とマンスリー投与の両部分集団を統合して解析を行った結果、BAN2401は、脳神経のダメージにより増加することが知られているバイオマーカーであるニューログラニン(シナプス損傷)、リン酸化タウ(神経変性)、ニューロフィラメント軽鎖(神経軸索の変性)において、AD病態生理に有益な影響を与える傾向を示した。

BAN2401は、18か月投与期間中、いずれの投与量群においても許容可能な忍容性を示した。最も頻度高く報告された有害事象は、注射に伴う反応とアミロイド関連画像異常(ARIA)であり、用量依存的だった。(浮腫)の発現率はAPOE4陽性群においてより高く、また、ARIA-E発生の患者48人中5人(約10%)に頭痛、、錯乱などの症状が見られた。60%のARIA-Eは投与開始から3か月以内に発生した。浮腫の程度は、約89%において軽度から中程度だった。

現在、エーザイとバイオジェンは、BAN2401開発における次のステップを決定すべく、各国の規制当局と相談中。また、201試験に登録されていた患者を対象とした非盲検継続投与試験を計画中であり、同長期継続試験は、年内に開始される予定。(大場真代)

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