中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者を対象に
武田薬品工業株式会社は10月22日、ベドリズマブ皮下投与製剤による維持療法の有効性および安全性を検討したVISIBLE1試験の結果を発表した。同試験の結果は、オーストリア・ウィーンで開催されている欧州消化器病週間(United European Gastroenterology:UEG)にて報告された。
同試験は、非盲検下にて同剤静注製剤による導入療法を2回行った後、試験開始6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者を対象とした臨床第3相試験。維持療法として同剤の皮下投与製剤の有効性と安全性を評価した。
52週時点で臨床的寛解達成率、統計学的に有意に高く
同試験の追加サブグループ解析において、ベドリズマブ皮下投与製剤は抗TNFα抗体による治療歴のない患者を対象にプラセボと比較して有意に高い臨床寛解率を達成。52週時点において、皮下投与群はプラセボ投与群と比較して臨床的寛解の達成率が統計学的に有意に高いことが示されたという(46.2% vs. 14.3%; p<0.001)。また、同様の速度の臨床的寛解の達成率(42.6%)が、静注投与群でも確認されたとしている。
重度の有害事象および感染を含む有害事象の発生率は、皮下投与群および静注投与群において同様であった。注射部位反応は軽度で、ベドリズマブ皮下投与群の患者の9.4%(プラセボ群では0)であり、いずれも治療中止に至らなかった。抗ベドリズマブ抗体(AVAs)の速度は、皮下投与群と静注投与群(それぞれ5.7%と5.6%)の間で類似していた。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース