免疫CP阻害薬の免疫関連有害事象チェックリストを基に作製
中外製薬株式会社とエンブレース株式会社は10月18日、中外製薬が製造販売する免疫チェックポイント阻害剤「テセントリク(R)」(一般名:アテゾリズマブ)による治療を受ける患者の副作用マネジメントを目的として、患者と医療従事者とのコミュニケーションを円滑にする多職種連携Social Networking Service(SNS)と連動した治療支援アプリを開発し、提供を開始したことを発表した。
このアプリは、エンブレースが地域包括ケアシステムの構築に向けて医療介護従事者専用に開発した完全非公開型SNS「MedicalCareStation(メディカルケアステーション:MCS)」と、九州大学病院で使用されている「免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象(irAE)のチェックリスト」を基に作製した新たなウェブアプリ。
同アプリでは、体調・気になる症状の入力、定期的入力のお知らせ通知、入力された体調・気になる症状の医療チーム全体への共有、症状の程度に合わせた患者・家族・医療チームへのアラート表示、医療者と患者・家族の間のコミュニケーションなどを行うことができるという。
3万軒以上の医療施設、200以上の医師会で利用されるMCS
このアプリは、2017年に開始した外来がん治療における服薬適正化支援アプリの試行より得られた成果をMCSと連動させ、免疫チェックポイント阻害剤における治療支援アプリとして新たに開発した、医療専用SNSと連動した免疫チェックポイント阻害剤のアプリとして国内初のもの。また、同アプリを用いたプログラムを実臨床で実施する妥当性については、MINS治験審査委員会において審議され、承認されている。また、同アプリは、多職種連携SNSとして全国に広がっているMCSをプラットフォームとして利用しており、拡張性があることも特色のひとつ。MCSは現在、全国で3万軒以上の医療関連施設で利用され、200以上の医師会で正式採用されている。
同アプリとMCSの連動により、患者を中心とした医療従事者間のコミュニケーションの活発化や、患者と医療従事者との円滑なコミュニケーションの促進が期待されるという。加えて、免疫チェックポイント阻害薬のirAEのチェックリストに基づき、在宅時の患者の日々の体調や気になる症状などがタイムリーに医療従事者へ共有されるため、irAEの早期発見および対処につながることが期待される。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース