この日の検討会では、各団体からNCが果たすべき役割に関してヒアリングを行った。AMEDは、医療研究開発の成果を患者に届けるため、データシェアリング、医療研究開発に資する人材育成、横断的医療研究開発のための基盤整備の三つの戦略が必要とし、高度な診療と研究機能を持つ施設の重要性を強調した。
具体的には、国内で認知症など複数のコホート研究が行われているものの、対象患者の地域が限定されたものが多く、コホート間の連携が進んでいない現状を指摘。NC間で臨床情報の共有を進めることを提案した。情報共有を促すことで、診断の加速や正確な患者数の把握ができ、研究開発の促進につながるスキームができるとした。情報共有をNCの方針として示すこと、知財管理者など研究開発を支援する人材の充実なども求めた。
製薬協は、臨床開発での連携に期待感を示し、領域の専門性を最大限に発揮した日本の新薬研究開発を推進する組織であることを求めた。そのために必要な体制として、国内研究を統括して推進する体制や治験ネットワークなど希少疾患に貢献できる協力体制の構築を求めた。
国立がん研究センターなど、六つのNCで連携して「疾患コホート統合DB」(仮称)を構築することも提言し、疾病の病態解明、治療・予防法の開発に役立てるよう促した。その上で、6NCが独立性を維持しながら全体で創薬のエコシステムを構築することに期待を述べた。
PMDAは、治療ガイドラインの作成時に国内の大学や他の先進的な医療機関と連携することなどを通じて、新たな治療法と標準医療となるべき診断・治療法の開発を要望。NC全体で標準医療の開発、普及の戦略を持った一体的な体制を作ることや、MID-NETと連携して電子医療情報の品質管理やデータ標準化のあるべき姿を示すことを提言した。大学と連携してオールジャパンの医療情報標準化の基盤を構築することも求めた。