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【国際医薬品卸連盟】鈴木賢氏が会長に就任-ワシントン総会開く

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2018年10月15日 AM10:15

(IFPW)の第22回総会が11、12の両日、米国ワシントンで開催された。今回のメインテーマは、「効率的な医療提供パートナー」(Partners in Efficient Healthcare Delivery)で、サブテーマは「医薬品卸売業者および流通業者の重要な役割」を掲げた。総会では、医薬品業界の世界的現状と課題、アメリカの医薬品流通事情、医療制度、薬局の役割、流通の未来などについて講演、パネルディスカッションが行われ、成長ドライバーとしてのスペシャリティ医薬品、ジェネリック薬、バイオシミラーの動向、ドローン等テクノロジーの活用、ヘルスケアにおいてアマゾンという破壊的な変革を促す参入者の出現などがキーとして上げられた。なお、次回2020年のジェネラル・ミーティングは日本・東京で開催されること、日本医薬品卸売業連合会の鈴木賢会長がIFPW会長に就任することが決定した。

■次回は東京開催

あいさつに立った、マーク・パリッシュIFPW代表とスティーブ・コリスIFPW会長は、今回の参加者は約200人であるが、それまで印刷物で紹介していた個人の情報などはアプリで提供する新たなスタイルを採用したことを報告すると共に、「多くの関係者と意見交換して親睦を図ってもらいたい」と総会のもう一つの意義を述べた。

冒頭のセッションでは、毎回恒例となっているIQVIAのダグ・ロング、ペア・トレイン両氏が、医薬品ビジネスのグローバル動向、米国、欧州、アジア、南米、中東、アフリカそれぞれの市場動向(成長、停滞、減少)について説明した。

それによると、医薬品の市場規模は1兆ドルで、垂直、水平、その他の統合が非常にアクティブに展開されているが市場規模は低下しており、その要因は、通常のマーケットではなかった「15年のC型肝炎治療薬バブル」による影響だとした。

また、医薬品市場では、世界的に高齢化の影響が大きくなっているほか、先進国ではボリュームではなく価値をベースとしたスペシャリティ医薬品が成長ドライバーとなっており、それに伴い、スペシャリティ薬流通は医薬品卸へも影響し、従来型とは異なった新しいビジネスモデルによる機会提供が期待できると述べた。

ジェネリック薬は、世界的に見ると伸びているが、ドルベースでは伸びていないことから飽和状態にあると読んだほか、日本ではジェネリック薬の普及に改善が見られると言及した。バイオシミラーのメーカーは統合に動いているという。医薬品卸にとってはある程度メリットはあるが、冷蔵の保管と流通、追跡が必要になると指摘した。

近年急速に普及しているeコマース、電子取引については、世界的にいろいろな方向で行われている。ある調査では、患者の67%がリサーチしているという報告がある。巨人のアマゾンも規制品である医薬品には他の商材ほど強烈な取り扱いはないが、「ピルパック」によって株価は上昇した。医薬品市場でのオンラインプレイヤーは欧州で活発化しており、患者教育の必要性を訴えた。

また、ジップラインが展開しているアフリカ・ルワンダでのドローンによる血液製剤の配達(病院敷地への低空投下)について報告があった。ドローンをカタパルト発射できる拠点から半径80km圏内の病院へ、注文から30~40分以内で届けられるジャストインタイムの同システムによって、病院の在庫をなくして無駄をなくせると強調した。同社のウィル・ヘッツラー氏は、「米国のピルパックは破壊的なインパクトがあり、医薬品卸も影響は避けられないだろう。革新技術なども新しいビジネスチャンスとして捉えてみてはどうか」と、これまでとは異なる流通スタイルへ対応する必要性を述べた。

米国開催ならではの、米国医薬品卸ビッグ3トップ/マッケソンのジョン・ハマーグレン氏、カーディナルヘルスのマイク・コフマン氏、アメリソース・バーゲンのスティーブ・コリス氏が揃い踏みしたパネルディスカッションも行われた。3氏は、透明性の確保と大規模合併、ビッグデータとITの活用、ヘルスチェーンを通じた破壊の出現、人材育成システムの重要性、サービスによる価値向上、進化による顧客満足度の上昇などをキーとして上げた。

2日目には、流通の未来に関するパネルに日本人スピーカーとして中北馨介氏が登壇した。次号掲載予定。

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