再生医療への本格参入も発表
グンゼ株式会社は10月10日、ポリグリコール酸(PGA)を材料とした吸収性の軟骨再生基材「CHONDROVEIL(TM)(コンドロベール)」を開発し、2018年9月に欧州でCEマーキングの認証を取得したことを発表した。今秋、欧州で販売を開始する予定。また今後、再生医療に本格参入することも発表した。
画像はリリースより
これまで、外傷による膝軟骨部欠損や変形性膝関節症などで一度すり減った膝軟骨は、再生しないと考えられてきた。また、軟骨の欠損や摩耗が進行した場合には、手術で別の部分から軟骨組織を採取し、培養して移植する治療が行われている。
約15週で体内に吸収、自己の軟骨様組織に置換
今回発表されたコンドロベールを用いた方法は、別部位の軟骨を犠牲にする必要はなく、培養期間も不要。マイクロフラクチャー法を併用し、骨髄由来の間葉系幹細胞が含まれる滲出液とともに同材を貼り付けるだけで、膝軟骨再生の効果を得ることができる。また、同材は最終的に加水分解され、約15週で体内に吸収され、徐々に自己の軟骨様組織に置換されていくという。
1985年にスタートしたグンゼのメディカル分野は、これまで培ってきた繊維や高分子の技術を応用し、縫合糸から組織補強材、骨接合材、人工真皮など「生体吸収性」に着目した医療機器の販売を行っている。今後は、新規治療ラインアップの早期実用化を目指し、患者のQOLの向上に貢献するとしている。
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・グンゼ株式会社 ニュースリリース