片頭痛の予防治療を受けている患者は10%
米イーライリリー・アンド・カンパニーは9月27日、米国食品医薬品局(FDA)が、成人の片頭痛の予防治療を適応として「Emgality(TM)120mg注射薬」(一般名:galcanezumab-gnlm)を承認したことを発表した。
片頭痛は、日常生活に支障をきたす神経系の疾患で、悪心、嘔吐、光および音への感覚過敏や視覚的変化などの別の症状を伴う重度の頭痛エピソードを繰り返す特徴がある。3000万人を超える米国の成人が片頭痛を抱えており、女性は男性と比べて3倍となっている。
医療費支出パネル調査によると、米国の片頭痛に関連する未補正の総費用は年間で560億ドルほどと推定されているが、いまだ片頭痛の認知度は低く、未治療のケースが多い。同社の報告によると、現在予防治療を受けているのは、同疾患患者のうち約10%のみだという。
欧州のCHMPも肯定的見解を発表
Emgalityは、月1回皮下投与する自己注射薬。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に結合するヒト化モノクローナル抗体で、CGRPの受容体への結合を阻害する。
同剤は、反復性片頭痛の患者を対象とする2つの第3相臨床試験(EVOLVE-1試験およびEVOLVE-2試験)と、慢性片頭痛の患者を対象とする1つの第3相臨床試験(REGAIN試験)で、有効性および安全性が示されている。
また、2018年9月21日には、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)が、1か月の片頭痛日数が4日以上である成人を対象とする片頭痛予防薬としてのEmgalityに対して肯定的見解を発表。この見解は、欧州連合で承認を行っている欧州委員会に対して、最終決定の参考として提供されている。
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース