北海道留萌市にて横断的集団研究を実施
旭川医科大学は10月3日、肉を食べる頻度が少ない女性では緑内障リスクが高いことを示す研究結果を発表した。この研究は、同大医工連携総研講座の木ノ内玲子特任准教授らによるもの。研究成果は、科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された。
日本人の40歳以上の20人に1人が緑内障と推定されており、失明原因の第1位を占めている。緑内障の8割を占めているのが開放隅角緑内障だ。緑内障では、年齢や高眼圧、近視などがリスクと考えられているが、生活習慣でリスクとなるものはよくわかっていない。
研究グループは今回、北海道留萌市にて横断的集団研究を実施。40歳以上の約1,700人に眼底写真検診を行い、そこで見つかった開放隅角緑内障の人とそうでない人の、年齢、生活習慣、健康測定値などを比較。運動や喫煙、飲酒、魚や肉を食べる頻度などの生活習慣を調査し、身長・体重、血圧などを測定、統計的に処理した。
1週間に肉を食べる日数で約1日の差
研究の結果、開放隅角緑内障の女性はそうでない女性と比べて、1週間に肉を食べる日数が少ないことが明らかとなった。開放隅角緑内障の女性が平均1.7日で、そうでない女性は平均2.7日だったという。
アジアでは、開放隅角緑内障の中でも眼圧があまり高くない正常眼圧緑内障の割合が多いことが知られている。これは、食習慣が影響している可能性も考えられるという。今回の研究結果から、女性では1週間に1~2日肉を食べる日を増やすことで、開放隅角緑内障になるリスクが減る可能性が示唆された。今回の研究によって得られた知見が、実際に予防に役立つものか、他の地域、他の国などでも見られるものかは、今後も研究が必要だとしている。
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・旭川医科大学 プレスリリース