アドセトリスを含む新規併用レジメンとCHOP療法を比較
武田薬品工業株式会社と米Seattle Genetics,Inc.(シアトルジェネティクス社)は10月2日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(R)」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)の、未治療のCD30発現末梢性T細胞リンパ腫の患者を対象とした臨床第3相試験「ECHELON-2試験」の結果、化学療法と併用したアドセトリス群において主要評価項目を達成し、無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意な改善が示されたことを発表した。この結果は、2018年12月に開催される米国血液学会年次集会で発表される予定。
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)は、成熟型T細胞リンパ腫としても知られている。アドセトリスは、複数のPTCL表面に発現しているCD30抗原を標的とした抗体薬物複合体。アドセトリスのPTCLに対する一次治療は、現在承認されていない。
ECHELON-2試験は、未治療のCD30発現末梢性T細胞リンパ腫の患者を対象とし、化学療法と併用した場合のアドセトリスの一次(フロントライン)治療としての有用性を検討した無作為化二重盲検多施設共同国際試験。アドセトリスを含む新規併用レジメン「アドセトリス、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン」群、あるいはPTCLに対するフロントライン治療の標準療法として認められているCHOP療法「シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン併用」群とに無作為に割付けられた。
OSも良好な結果
試験の結果、アドセトリスを含む新規併用レジメン群がCHOP療法群と比較して、統計学的に有意なPFSの改善を示した(ハザード比:0.71、p=0.0110)。新規併用レジメン群は、CHOP群(ハザード比:0.66、p=0.0244)と比較して、副次評価項目である全生存期間(OS)も良好な結果を得たという。また、全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)患者のPFS、OS、完全寛解率を含むすべての副次評価項目は、いずれも新規併用レジメン群がCHOP群よりも統計学的に有意な結果を示したとしている。
同試験において、アドセトリスを含む新規併用レジメン群の安全性はCHOP療法と同等で、化学療法と組み合わせたアドセトリスの確立された安全性プロファイルと同様だった。
▼関連リンク
・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース