死亡リスクを増加させるCKD患者の貧血
アステラス製薬株式会社と米FibroGen社は10月1日、共同で開発を進めているロキサデュスタット(一般名、開発コード:ASP1517/FG-4592)について、透析期の慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血の適応症で、アステラス製薬が日本において製造販売承認申請を行ったと発表した。
貧血はCKD患者において一般的にみられる合併症であり、透析期または保存期(透析導入前)の患者のいずれにおいても高い有病率と死亡リスクの増加が認められている。CKDに伴う貧血では、入院、心血管疾患、輸血、他の重篤な症状の悪化および死亡のリスクが増加し、重度な疲労感、認知機能障害および生活の質の低下も引き起こすことから、依然として大きなアンメットメディカルニーズが存在する。
低酸素状態を引き起こすことなくHIFの活性を強化
ロキサデュスタットは、FibroGen社によって見出された化合物で、経口投与が可能な低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素阻害剤。HIFは、生体が低酸素の状態に晒されたときに自然な生理学的反応を誘導して赤血球生成を最適化する転写因子だ。同剤は、HIFの分解酵素であるプロリン水酸化酵素を阻害することにより、低酸素状態を引き起こすことなくHIFの活性を強化して赤血球造血反応を誘導する。
アステラス製薬とFibroGen社は、欧州、独立国家共同体(CIS)、中東、南アフリカなどにおいて、CKDおよび骨髄異形成症候群に伴う患者の貧血を対象としたロキサデュスタットの開発を共同で実施。また、FibroGen社は、米国、中国を含む他の地域において、同様の貧血疾患を対象としたロキサデュスタットの開発をAstraZeneca社と共同で行っている。
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・アステラス製薬株式会社 プレスリリース