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イミフィンジ、切除不能なステージ3非小細胞肺がん対象にOSを有意に改善-英AZ

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2018年10月01日 AM11:15

切除不能なステージ3のNSCLC治療薬として国内承認済み

英アストラゼネカ社と同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは9月25日、カナダ・トロントでの国際肺癌学会(IASLC)主催の第19回世界肺癌学会(WCLC)のプレジデンシャル・シンポジウムで、(R)(一般名:(遺伝子組換え))の第3相PACIFIC試験の全生存期間(OS)データを発表した。この結果は「New England Journal of Medicine」に掲載された。

PACIFIC試験は、白金製剤を用いた化学放射線療法(CRT)後に進行が認められなかった切除不能なステージ3(局所進行)の全ての非小細胞肺がん()患者(PD-L1発現を問わず)を対象としたイミフィンジ逐次投与の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験。同試験は、26か国の235施設で患者713人の参加で実施中。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)とOSで、副次的評価項目には特定時点における無増悪生存割合と生存割合、客観的奏効率と奏効期間が含まれる。

イミフィンジは現在、切除不能なステージ3のNSCLC治療薬として、米国、欧州、カナダ、スイス、インド、日本およびブラジルにおいて、PACIFIC試験結果に基づき承認されている。また、、肝細胞がんならびにその他の固形がんの1次治療として、単剤療法ならびに、化学療法、放射線療法、低分子化合物および抗CTLA-4モノクローナル抗体トレメリムマブとの併用療法が検討されている。

PD-L1発現の有無に関わらずOSを有意に延長

同試験の結果、PD-L1発現の有無に関わらず、標準治療に比べOSを有意に延長させ、死亡リスクを32%低減させた(ハザード比0.68、99.73%信頼区間0.47-0.997;p=0.0025)。

イミフィンジの安全性と忍容性プロファイルは、PFS解析時に報告されたプロファイルと一貫していた。プラセボ投与群と比べてイミフィンジ投与群の患者で最もよくみられた有害事象(患者の20%以上)は、咳(35.2%対25.2%)、疲労(24.0%対20.5%)、呼吸困難(22.3%対23.9%)および放射線性肺臓炎(20.2%対15.8%)だった。また、患者の30.5%がイミフィンジ投与によりグレード3または4の有害事象を経験したのに対して、プラセボ投与群ではその発現率は26.1%だった。有害事象により治療を中止した患者の割合は、イミフィンジ投与群で15.4%、プラセボ投与群で9.8%だった。

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