前厚生労働省保険局医療課薬剤管理官として、18年度調剤報酬改定を担当した中山氏は、「調剤技術料」がテーマとなった昨年11月の行政事業レビューで、複数の委員から、医薬分業によって薬局に支払うコストが増えたにもかかわらず、費用負担が小さい院内処方に比べて「院外処方のコスト差は妥当な水準と言えるのか」といった疑問が投げかけられたことを紹介。
事業レビューでは、「調剤報酬が本当に価値に見合ったものなのかという根本的な問題を突きつけられた」と振り返った。
当時の会議では、こうした薬局への批判に対し、後発品への置き換えによる医療費削減効果や、薬物療法上の有効性・安全性の向上といったメリットを示すなどして、「単純な比較にはならない」などと応戦したものの、調剤報酬の妥当性については、「まだ、疑問ですと言われたままになっている」と解説。
次期診療報酬改定の議論が進むにつれ、調剤報酬は「もっと厳しく追及される」ことから、「それに対する答えを準備しておかなければ、ばっさりやられても仕方がない状況になる」と指摘し、薬剤師・薬局の取り組みが「医療に貢献しているという実績をデータで示し、(批判に)反論できる材料を常に準備しておくことが大事」と強調した。
その上で、中山氏は18年度改定項目のうち、「地域支援体制加算」「服用薬剤調整支援料」「分割調剤」に言及。地域支援体制加算では、調剤基本料1以外の薬局に対し、「地域医療への貢献を示す実績8項目」を課すなどし、あえて高いハードルを設定したが、基本料1が算定できている薬局でも、「重複投薬・相互作用等防止加算や服用薬剤調整支援料などの実績を示すことが重要」との認識を示した。
また、処方箋様式の変更を行った分割調剤については、「ハードルの高い改定だった」としつつも、「面分業を目指す一助になる可能性があり、進めたい気持ちがこもっている」ことから、「期待に応えてほしい」と述べた。