厚生労働省は18日、高齢者の医薬品適正使用指針について、ポリファーマシーにおける診療や処方時の参考とするため、外来や入院医療など療養環境別に薬剤師等の医療者が考慮すべきことを記載した「追補」の骨子案を、高齢者医薬品適正使用検討会の作業部会に示し、概ね了承された。外来・在宅医療においては、地域包括ケアを担う医療・介護関係者との協力を行うなど、多職種による協働を重視した内容とした。26日に開催予定の検討会でも骨子案の具体的内容を議論する。
骨子案は、▽外来・在宅医療▽急性期後の回復期・慢性期の入院医療▽その他の療養環境(介護、介護老人保健施設等)――で構成されている。
当初、総論編に対する詳細編とする予定だったが、患者の療養環境ごとに医療者が留意すべき点をまとめた内容を踏まえ、「追補」に変更した。
外来・在宅医療では、療養環境移行時の処方見直しの考え方として、地域包括ケアを担う医療・介護関係者と留意事項を共有することを記載。ケアの工夫や運動療法など、非薬物的対応の重要性を確認すること、転倒や骨折、せん妄など外来・在宅で想定される状況への注意とモニタリングにより、処方の優先順位と減量・中止を判断するよう求めた。施設内、地域内の多職種での情報共有、チームを形成したり、お薬手帳を活用した連携なども盛り込んでいる。
急性期後の回復期・慢性期の入院医療については、急性期の症状が安定してきた段階での薬剤見直しの検討、入院前の医師や薬剤師との情報共有、退院に向けたかかりつけ医や薬剤師との連携や情報の引き継ぎなどの留意点を記載。その他の療養環境においては、介護老人保健施設などにおける薬剤使用の特徴、各施設の処方環境下での薬物有害事象のリスク確認を行うことなどを盛り込んだ。
さらに、可能であれば薬剤師や医師を中心とした様々な職種による処方見直しチームを組織すること、地域包括ケアを担う医療・介護関係者との協力なども行うこととしている。