医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > iPS細胞由来他家CAR-T細胞療法に関する創薬提携契約を締結-小野薬品と米Fate社

iPS細胞由来他家CAR-T細胞療法に関する創薬提携契約を締結-小野薬品と米Fate社

読了時間:約 1分22秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年09月20日 AM11:45

iPS細胞を用いた他家細胞療法治療薬創製の先駆的企業

小野薬品工業株式会社は9月18日、米Fate Therapeutics社.と、がんを対象としたiPS細胞由来他家CAR-T細胞治療薬の創製を目的とする創薬提携契約を締結したと発表した。

Fate社は、がんおよび免疫疾患でファーストインクラスの細胞療法の開発に特化したバイオベンチャー企業。iPS細胞を用いた他家細胞療法治療薬創製の先駆的企業であり、ドナー由来NK細胞のがん免疫療法(FATE-NK100)で現在3つのPhase1試験を実施中。また、免疫チェックポイント阻害剤や単クローン抗体との相乗効果を狙って機能強化した細胞療法、がん特異的抗原を対象とした細胞療法の開発のためにiPS細胞由来NK細胞やT細胞療法の開発を進めている。さらにFate社の免疫制御パイプラインには、急性移植片対宿主病を対象にPhase2試験を実施中の次世代型ドナー細胞移植「ProTmune(TM)」や、免疫異常の患者に免疫寛容を誘導するミエロイド系抑制細胞療法がある。

2つの標的に対するiPS細胞由来他家CAR-T細胞治療薬を創製

今回の契約締結により、Fate社は研究資金の提供を受け、同社独自のiPS細胞製品プラットフォームを駆使し、小野薬品が選択した2つの創薬標的に対するiPS細胞由来他家CAR-T細胞治療薬を創製する。1つ目のCAR-T細胞治療薬は血液がんが対象。小野薬品はアジアにおいて、Fate社はアジア以外で開発・商業化する権利を保有する。2つ目のCAR-T細胞治療薬は固形がんが対象で、小野薬品は全世界で独占的に開発・商業化する権利を保有するが、Fate社は欧米における共同開発・共同販売のオプション権を保有する。なお、この提携から創製される2つの製品共にFate社が製造の責任を負う。

小野薬品はFate社に対して契約一時金1000万米国ドルを支払うとともに、2つのCAR-T細胞治療薬が創製出来た場合、その研究段階の総費用として6000万米国ドルを支払う。また、臨床開発の進捗に応じたマイルストン、上市後の売上高の目標達成に応じたマイルストン、および上市後の売上高に応じてロイヤルティを支払うとしている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか