血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を適用した新薬
JCRファーマ株式会社は9月14日、同社独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo(R)」を適用した新薬の開発として、新たにサンフィリッポ症候群A型治療酵素製剤(開発番号:JR-441、血液脳関門通過型遺伝子組換えヘパランN-スルファターゼ)の開発に着手することを決定したと発表した。
サンフィリッポ症候群A型(ムコ多糖症IIIA型)は、ハンター症候群やハーラー症候群と同じムコ多糖症の一種。へパラン硫酸が蓄積することで、中枢神経症状、睡眠障害、肝脾腫、痙攣発作などが起きる。現段階で有効な治療法は無く、新しい治療法の開発が望まれている。
動物試験で脳内に蓄積したヘパラン硫酸の減少効果を確認
JCRファーマはかねてから厚生労働省指定難病で小児慢性特定疾患であるライソゾーム病治療薬の開発に注力しており、J-Brain Cargoを適用した画期的な新薬の開発を順次行っている。今回開発に着手したJR-441は、JR-141(ハンター症候群治療酵素製剤)、JR-162(ポンペ病治療酵素製剤)、JR-171(ハーラー症候群治療酵素製剤)に続く、J-Brain Cargoを適用した新薬である。
JR-441は、動物試験で、末梢臓器のみならず脳への薬剤移行や脳内に蓄積したヘパラン硫酸の減少効果でも良好な結果を示している。同社は今後、具体的な開発計画の策定を行い、早期の臨床試験開始を目指すとしている。
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