AML患者の約25%に認められるFLT3-ITD変異
第一三共株式会社は9月11日、FLT3阻害剤キザルチニブが、FLT3変異を有する急性骨髄性白血病(AML)治療を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品指定を受けたことを発表した。
AMLは、骨髄における白血病細胞の異常な増殖の結果、正常な血液細胞の産生が著しく阻害され、治療をしないと短期間で致死的になる予後不良な血液疾患。FLT3-ITD変異は、AMLでは比較的頻度の高い遺伝子変異であり、AML患者の約25%に認められるとされている。また、FLT3-ITD変異を有するAML患者は、変異のない患者と比べ、再発率が高く生存期間が短いと考えられている。
P3試験で既存の化学療法剤と比較してOSを有意に延長
キザルチニブは、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML患者を対象としたグローバル第3相臨床試験(QuANTUM-R試験)で、既存の化学療法剤と比較して全生存期間(OS)を有意に延長。また、安全性においても新たな懸念は認められなかった。
同剤は、米国食品医薬品局(FDA)よりFLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML治療を対象に画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定とファストトラック指定を、また米国FDAと欧州医薬品庁(EMA)よりAML治療を対象としてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けている。
第一三共は、AML患者へ同剤をいち早く提供できるよう、国内を含めたグローバル承認申請に向けた準備を進めていくとしている。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース