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グセルクマブ、日本人掌蹠膿疱症患者対象P3試験で有効性・安全性確認-ヤンセン

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2018年09月12日 AM11:00

IL-23を選択的に阻害するヒト型モノクローナル抗体

ヤンセンファーマ株式会社は9月10日、既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の日本人患者を対象とした国内第3相試験(PPP3001試験)の結果、(遺伝子組換え)の52週までの投与における有効性および安全性が示されたことを、第33回日本乾癬学会学術大会で報告したと発表した。

グセルクマブは、ヤンセンが開発したヒト型モノクローナル抗体であり、乾癬や掌蹠膿疱症の病態形成に関与するIL-23を選択的に阻害する。米国、カナダ、欧州などでは、中等症から重症の尋常性乾癬に対する治療薬として承認。日本では、2018年5月、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、、乾癬性紅皮症を適応症として販売を開始した。

PPP3001試験は、掌蹠膿疱症に対するグセルクマブの有効性と安全性を評価することを目的とした、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験。既存治療の効果が不十分で、PPPASI(掌蹠膿疱症による皮疹の面積と重症度指数)合計スコアが12以上、手のひらまたは足の裏に中等度以上の膿疱・小水疱を有する掌蹠膿疱症の日本人患者159例を対象に、グセルクマブ200mg、100mgまたはプラセボを1:1:1でランダムに割り付け、0および4週後、それ以降8週間隔で皮下投与した。

200mg・100mgで有意な改善、QOLの改善も

同試験の結果、16週のPPPASIスコア変化量(主要評価項目)は、200mg群で-11.7、100mg群で-15.3、プラセボ群で-7.6であり、プラセボと比較してグセルクマブ200mgおよび100mgで有意な改善が認められ、いずれの用量でも安全性上の新たな懸念は認められなかった。この効果は、52週までおおむね継続的に向上・維持されたという。

また、QOLへの影響を検討した結果、試験開始前のDLQI(Dermatology Life Quality Index)スコア平均値は、200mg群7.9、100mg群9.3、プラセボ群8.7に対し、16週における変化量は、200mg群で-3.6、100mg群で-4.6、プラセボ群で-2.0であり、プラセボと比較してグセルクマブ200mgおよび100mgで有意な改善が認められた。健康関連QOLの包括的な評価尺度であるEQ-5D(EuroQol 5 Dimension)スコアの変化量も、プラセボと比較してグセルクマブ200mgおよび100mgで有意な改善を確認。DLQIとEQ-5Dの両スコアは52週まで継続的に改善したという。

なお、同試験で示されたグセルクマブの有効性および安全性は、パリで開催される欧州皮膚科性病学会議(EADV Congress)においても発表される予定。

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