自民党厚生労働部会の「薬事に関する小委員会」が8月30日に開かれ、薬機法の見直しに向け、日本薬剤師会、日本保険薬局協会(NPhA)、日本チェーンドラッグストア協会の各団体からヒアリングを行った。日薬は、多店舗展開する薬局開設者の責任の明確化や罰則などの整備が必要とした一方、NPhAは特定の組織や企業を対象に規制や罰則強化を行う議論は慎重であるべきとの考えを示すなど、団体で考えに違いが見られた。13日に開催予定の次回会合では、日薬から薬剤師の職能に関する考えを聞き取る方針だ。
この日の小委員会では、厚生労働省から薬機法の施行状況と今後の検討課題について報告を受けた後、各団体から薬機法の見直しに対する考えを聞いた。
日薬は、多店舗展開している薬局のガバナンス確保について、開設者と管理者が直接意見のやり取りを行うことが困難とし、「薬局開設者や管理者に求められる責務が果たされず、ガバナンスが機能していないことが原因で偽造薬の流通や調剤報酬の不正請求が発生している」と指摘。薬局開設者・管理者の責任をさらに明確にすることや罰則の整備などが必要とした。
一方、NPhAは、会員企業の多くがガバナンスの維持、強化に取り組んでいると強調。「特定の企業や組織を対象に規制や罰則強化を行う議論は慎重であるべき」とし、企業活動の実態を踏まえた上で、公正・効率的な企業活動を妨げるべきでないと主張。「規制や罰則で特定の企業に負担を掛けることより企業活動の中で監査体制や教育などを充実させ、ガバナンス強化に誘導することが重要」と訴えた。