肺がんリンパ節転移の確定診断を行うための手技で使用
オリンパス株式会社は8月28日、肺がんのリンパ節転移の確定診断を行うための「超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)」手技に用いる超音波気管支ファイバービデオスコープ「BF-UC290F」の、国内での発売を発表した。製造販売元は、オリンパスメディカルシステムズ株式会社。
肺がんのリンパ節転移の確定診断は、その治療方針の決定に重要な役割を果たす。EBUS-TBNAは、低侵襲でより確実な確定診断の方法として2002年に開発され、2008年に保険収載されている。
同手技は、対象のリンパ節に専用の針を刺して検体を採取する超音波ファイバービデオスコープを用いた方法だが、超音波ファイバービデオスコープは通常の内視鏡と比べスコープの挿入がしづらいとされ、部位によってはリンパ節へのアクセスが困難な場合がある。
スコープの挿入性とリンパ節へのアクセス性の向上を実現
今回発売するBF-UC290Fは、従来機に比べてスコープの挿入性とリンパ節へのアクセス性の向上を実現した。同スコープは、先端部の外径が従来機に比べ0.3mm細くなり、さらに先端についている超音波振動子部も小さくなった。また、湾曲角度が従来の120°から160°にアップし、針を挿入した状態でもスコープの大きな湾曲をキープすることができる。これらにより、従来アプローチが困難だった縦隔リンパ節(4L)や肺門リンパ節(10R)へのスムーズなアクセスに貢献するという。
画像はリリースより
また、内視鏡画像の視野方向が、従来機はやや上向き(35°前方斜視)だったのに対し、BF-UC290Fはより真っ直ぐ(20°前方斜視)に近づいた。これにより、気管支内でのスコープの位置や先端の向きが把握しやすくなり挿入性が向上し、先端部が小型化したことも併せて術者のストレス軽減や患者の苦痛軽減に寄与するという。さらに、従来機からイメージガイドの本数を増やしたことで、画質の向上に寄与しているとしている。
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