1988年よりバイアル製剤を販売
MSD株式会社は8月27日、組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)「ヘプタバックス(R)-II水性懸濁注シリンジ0.25mL」と「ヘプタバックス(R)-II水性懸濁注シリンジ0.5mL」の発売を発表した。
画像はリリースより
同社は、1988年より「ヘプタバックス(R)-II」(容量0.5mL、バイアル製剤)を販売しているが、今回新たに、0.25mLと0.5mLのシリンジ製剤がバイアル製剤の剤形追加として承認され、ラインナップに加わった。
利便性向上、誤接種リスクの軽減へ
日本でのB型肝炎ワクチンの定期接種は、2016年10月に0歳児を対象として開始された。ヘプタバックス-IIは、これまで容量0.5mLのバイアル製剤のみだったため、1回の投与量が0.25mLの10歳未満の小児へ使用する際、バイアルからシリンジへのワクチン準備に手間や時間がかかっていたという。今回、あらかじめワクチン液が充填されている0.25mLのシリンジ製剤が加わったことで、利便性が高くなるとともに、誤接種リスクの軽減につながると考えられる。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで発症するウイルス性肝炎のひとつ。日本ではHBVに持続感染している人(キャリア)の人数は、110~140万人程度といわれ、とくに、出生時または乳幼児期にHBVに感染するとキャリアになるリスクが高いとの報告がある。B型肝炎が進行すると、肝硬変や肝がんへ移行することが知られており、肝がんの約15%がB型肝炎ウイルスの感染が原因とされている。世界保健機関(WHO)では、B型肝炎ワクチンを全世界で全ての人が接種すること(ユニバーサルワクチネーション)を勧告しており、2017年時点で日本も含めた世界187か国で、全ての乳児を対象としたワクチン接種が行われている。
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