試験の終了時期を当初の予定より早める見込み
アステラス製薬株式会社は8月23日、米Pfizer社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤「エンザルタミド」(製品名:「XTANDI(R)」)について、ホルモン感受性前立腺がん患者(Hormone-Sensitive Prostate Cancer: HSPC)を対象とした2つの第3相試験(ARCHESおよびEMBARK)の試験実施計画を改訂したと発表した。
ARCHES試験は、国際共同無作為化第3相試験。転移性HSPC患者を対象として実施し、アンドロゲン除去療法(Androgen Deprivation Therapy: ADT)とエンザルタミドを投与した群の有効性および安全性を、ADT単独治療群と比較して評価する。この試験の主要評価項目は、X線検査で確認する無増悪生存期間(radiographic Progression-Free Survival: rPFS)だ。今回、主要評価項目および副次的評価項目の解析計画を改訂。患者登録はすでに完了しており、試験の終了時期は2018年後半となる見込み。なお、改訂前の終了見込みは2020年4月だった。
エンザルタミドの評価をより迅速に
EMBARK試験は、リスクの高い非転移性HSPC患者を対象として実施している国際共同無作為化第3相試験。エンザルタミドとリュープロレリンを投与した群、エンザルタミド単独治療群、リュープロレリン単独治療群を比較して評価する。この試験の主要評価項目は、無転移生存期間(Metastasis-Free-Survival: MFS)だ。今回、主要評価項目およびいくつかの副次的評価項目の解析計画を改訂し、これに伴い目標とする組み入れ患者数は減少。患者登録はすでに完了しており、試験の終了時期は2020年中頃となる見込み。なお、改訂前の終了見込みは2021年3月としていた。
アステラス製薬は、今回の試験実施計画の改訂により、現在、経口薬による治療選択肢がない非転移性患者層を含め、ホルモン感受性前立腺がんに対するエンザルタミドの評価をより迅速に進めていくとしている。
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