クリゾチニブ・セリチニブに次ぐ適応追加
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は8月15日、非小細胞肺がんのうちALK融合遺伝子陽性患者の診断補助に用いる体外診断用医薬品「ベンタナOptiView ALK(D5F3)」の一部変更承認を8月14日に取得し、中外製薬株式会社が販売するALK阻害剤「アレセンサ」(一般名:アレクチニブ塩酸塩)に対するコンパニオン診断薬として適応追加されたと発表した。
ベンタナOptiView ALK(D5F3)は、がん組織、細胞中に発現するALK融合タンパクを検出する検査キット。ALK阻害剤のうち、クリゾチニブとセリチニブのコンパニオン診断薬として、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者の判定補助に用いられてきた。
同キットは、ウサギモノクローナル抗体である一次抗体(クローンD5F3)と、高感度検出キットの「ベンタナOptiView DABユニバーサルキット」およびタイラマイドによる増感を行う「ベンタナOptiView増感試薬」との組み合わせによって承認されている。免疫組織化学(IHC)法を測定原理とし、ベンタナ ベンチマークシリーズの自動免疫染色装置を用いて染色を行う。光学顕微鏡による観察が可能であるため、院内で実施しやすく、より効率的で迅速な検査が期待できる。
国内で承認されているALK阻害剤すべてのコンパニオン診断薬へ
アレセンサは、中外製薬が創製したALK選択性の高い経口のALK阻害剤。アレセンサの投与にあたってはALK診断が必須であり、ベンタナOptiView ALK(D5F3)が同剤のコンパニオン診断薬になることで、迅速かつ適切なALK融合遺伝子陽性の診断が期待されるという。
ベンタナOptiView ALK(D5F3)は、今回のアレセンサに対する適応追加承認によって、国内で製造販売が承認されているALK阻害剤すべてのコンパニオン診断薬になった。これにより、同診断薬をALK阻害剤投与前の初回検査に用いれば、一次治療後の薬剤耐性または増悪後に別のALK阻害剤を投与する際、適応判定のための再検査は不要となる。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース