官民研究開発投資拡大プログラムの枠組みに基づき
医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)と理化学研究所、科学技術振興機構(JST)は8月9日、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の枠組みに基づき、「新薬創出を加速する人工知能の開発」を目指した省庁連携研究プロジェクトを開始したと発表した。
PRISMは、総合科学技術・イノベーション会議(Council for Science, Technology and Innovation:CSTI)のもとに2018年度に開始されたプログラム。民間研究開発投資誘発効果の高い領域もしくは財政支出の効率化に資する領域(ターゲット領域)へ各府省施策を誘導し、SIP型マネジメントの各府省への展開などを図る。
同研究プロジェクトは2018年度にターゲット領域のひとつとして設定された「サイバー空間基盤技術領域(領域統括:安西祐一郎)」のもとに推進され、対象施策は、「新薬創出を加速する症例データベースの構築・拡充」(厚生労働省)および「AIP:人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト」(文部科学省)となっている。
肺がんと発性肺線維症の新規創薬ターゲットを探索
今回の研究プロジェクトは、肺がんおよび特発性肺線維症(IPF)における新規創薬ターゲット(医薬品が作用するタンパク質などの生体内分子)を見出すことが目的。実際の臨床情報と文献などの既存知識のデータベースの構築や、それらを利用して創薬ターゲットを推定する人工知能の研究開発を推進する。
研究は、NIBIOHN、理研、JSTのほか、国立がん研究センター、産業技術総合研究所、東京大学、京都大学、大阪大学、九州工業大学など、計15の産学官の研究機関が連携・協力して進める。プロジェクトにより見出された優れた創薬ターゲットを企業に供与することにより、研究開発投資の拡大と国民の健康医療の質向上を目指すという。
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