悪性腫瘍、糖尿病、肝硬変などの患者で起こりやすい敗血症
シスメックス株式会社は8月8日、免疫血清検査分野の全自動免疫測定装置「HISCL(TM)-5000/2000i/800」で使用可能な細菌性敗血症の主要検査項目プレセプシンの測定試薬「HISCL(TM)プレセプシン試薬」を発売すると発表した。
画像はリリースより
敗血症は、感染症への罹患をきっかけとして、心臓や肺、腎臓などのさまざまな臓器の機能不全が起こる病態。世界では1年間に約3000万人が罹患し、うち約600~800万人が死亡していると言われている。敗血症のうち、循環不全や、細胞代謝の異常が持続するとくに重症な病態である敗血症性ショックは、死亡率が高く、重症化する前の早期診断・早期治療が極めて重要とされている。また、未熟児や高齢者に加え、手術後や悪性腫瘍、糖尿病、肝硬変などの患者は、敗血症を起こしやすいとされている。
HISCLシリーズを用いて約17分でプレセプシンを測定
細菌性敗血症の検査項目のひとつであるプレセプシンは、従来のバイオマーカーと比較し、発症後により早く測定値が上昇することや、測定値が外科手術や大きな外傷などの影響を受けにくいこと、重症度をより高精度で反映することなどから臨床的価値が高く、細菌性敗血症の早期診断ならびに高精度な予後判定に寄与するバイオマーカーとして期待されている。また、細菌性敗血症の診断補助となるプレセプシン検査は2014年1月1日に日本国内で保険収載されている。
今回発売するプレセプシンキット「HISCLプレセプシン試薬」は、HISCLシリーズを用いた測定により、約17分での迅速なプレセプシン検査を実現。シスメックスは、同試薬の販売促進活動を通じて、HISCLシリーズを用いた簡便かつ迅速なプレセプシン検査の臨床的優位性の浸透を図るとともに、プレセプシン検査の普及を促進し、細菌性敗血症の早期診断や高精度な予後判定への貢献を目指すとしている。
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