同社は、18年度調剤報酬改定で「基準調剤加算」が廃止され、それに代わる「地域支援体制加算」が新設されたことを踏まえ、今年6月1日時点の全国の保険薬局における算定状況を調査した。その結果、地域支援体制加算を算定していた薬局は全国で1万5012軒であることが分かった。保険薬局全体の25.1%と4分の1に上った。
算定薬局数は、東京都が1896軒、大阪府が1630軒と薬局の多い大都市を抱える都道府県が多かったが、薬局数に対する割合で見ると、奈良県が41.0%と最も高く、次いで長野県40.2%となった。これら2県では県内の薬局の4割が地域支援体制加算を算定しており、地域医療に貢献している薬局数が多い地域と考えられた。
地域支援体制加算を算定していた薬局における調剤基本料の算定状況を調べたところ、全体の99.8%に当たる1万4984軒が調剤基本料1を算定していることが明らかになった。6月1日時点で調剤基本料1を算定していた薬局4万9036軒のうち、地域支援体制加算を算定していた薬局の割合は30.6%となった。
同社は、「調剤基本料1以外の調剤基本料を算定している薬局には、地域医療への貢献を示す8項目の実績要件が設定され、この要件が厳しいために調剤基本料1以外では地域支援体制加算の算定が困難と指摘されていたが、今回の調査でもハードルが高いと推測できる結果となった」と分析している。
さらに、今年2月1日時点で基準調剤加算を算定していた薬局が全国で1万6166軒だったのに対し、6月1日時点で地域支援体制加算を算定していた薬局は1万5012軒だった。地域支援体制加算の算定薬局は、基準調剤加算より1154軒(1.9%)少なく、基準調剤加算算定薬局の81.9%が地域支援体制加算を算定していた。
基準調剤加算の算定薬局1万6166軒と地域支援体制加算の算定薬局1万5012軒を都道府県別に比較したところでは、算定薬局数が増えたのは6県にとどまり、減少したのは39道府県となった。
算定薬局数を最も減らしたのは北海道のマイナス130軒で、減少率では福島県が28.5%と最も大きく、次いで茨城県の27.7%、福井県の23.9%と続いた。
これらから、地域支援体制加算の施設基準について、調剤基本料1でも医療安全に資する取り組み実績の報告など基準調剤加算にはなかった施設基準が新たに設けられており、同社は「施設基準の厳格化が影響し、基準調剤加算よりも地域支援体制加算の算定薬局が少なくなったのではないか」としている。