既存治療での治癒が難しい慢性リンパ性白血病
全薬工業株式会社と中外製薬株式会社は8月3日、抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン(R)点滴静注100mg、同500mg」(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え))について、CD20陽性の慢性リンパ性白血病に対する効能・効果追加の承認申請を、全薬工業が厚生労働省に行ったと発表した。
慢性リンパ性白血病は、小型の成熟Bリンパ球が単クローン性に増殖し、末梢血、骨髄、リンパ節、脾臓などで増殖する疾患で、その多くは緩徐に進行する。高齢者に多く見られる希少疾患であり、既存治療での治癒は難しいとされ、再発・進行を繰り返すことが多い。国内の患者数は少なく、年間10万人に0.3人前後と報告されている。発症年齢は50歳以降で多く、30歳未満ではほとんどみられない。男女比は、女性より男性に多く、1.5~2倍程度とされている。
2018年3月には希少疾病用医薬品の指定も
全薬工業は、CD20陽性の慢性リンパ性白血病に対するリツキサンの投与について、2012年3月23日に開催された「第11回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討結果を受けて2012年4月6日付けで発出された厚生労働省からの開発要請に基づき、効能・効果追加の承認申請の準備を行っていた。また、2018年3月20日にはCD20陽性の慢性リンパ性白血病を予定効能・効果として、希少疾病用医薬品の指定を受けている。
全薬工業と中外製薬は、新たな治療選択肢を望む慢性リンパ性白血病の患者ならびに医療従事者にリツキサンを早期に提供できるよう、引き続き、承認取得に向けて取り組んでいくとしている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース