外科的治療が困難な患者に対する新たな治療法「TAVI」
日本メドトロニック株式会社は8月1日、大動脈弁狭窄症患者を対象としたTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)用デバイス「コアバルブEvolut PRO」の販売を開始したと発表した。
画像はリリースより
TAVIは、胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者の心臓に留置する新しい治療法。この治療は、心臓の弁が上手く機能せず、息切れなどの症状が出る心臓弁膜症で、かつ高齢や合併症などの原因により外科的治療が不可能な患者に対する新しい選択肢となっている。
Evolut PROは、大動脈弁狭窄症患者に対する血行動態の改善と、2016年より販売しているEvolut Rの外側にブタ心のう膜のアウタースカートを追加することによる弁周囲逆流(PVL)の軽減を主な目的として開発され、日本では2018年6月29日に承認されている。
血管径の小さい患者に対するTAVI治療が可能に
Evolut PROは、ニチノール製自己拡張型フレーム、自己弁輪固有の形状に影響されることなく生体弁の弁尖部分で真円を描きやすく、広い弁口面積と適切なコアプテーション(弁尖の接合)を確保できるスープラアニュラー生体弁、リキャプチャー(再収納)機能を搭載したデリバリーカテーテルシステム、細い血管にも挿入可能なロープロファイルなど、従来のEvolut Rの特長を引き継ぐ。海外での臨床試験の結果、治療後30日時点における有効弁口面積2.0平方センチメートル、平均圧較差6.4mmHgと、血行動態の改善が示唆されている。
また、デリバリーカテーテルシステムを通じて留置され、適応のある最小血管径は5.5mm以上。InLineシースと呼ばれる一体型のイントロデューサシースを用いることにより、細い血管にも挿入可能なロープロファイルを実現し、血管径の小さい患者に対しても経大腿動脈によるTAVI治療を提供可能にする。日本では、患者のサイズに適した生体弁サイズ(23mm、26mm、29mm)の選択が可能となっている。
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