小型遺伝子検査機器「コバス Liat」の専用試薬
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は7月26日、インフルエンザA型、B型ウイルス、およびRSウイルスを、リアルタイムPCR 法で発症初期の段階から高感度に検出する研究用試薬「cobas Liat Influenza A/B & RSV」の発売を発表した。使用検体は鼻咽頭スワブ、希望販売価格は20テストで税抜き10万6,000円となる。
画像はリリースより
cobas Liat Influenza A/B & RSVは、2017年9月に発売された小型遺伝子検査機器「コバス Liat」の専用試薬。これまで遺伝子検査室では広く利用されてきたPCR法を、より簡便に用いられるよう開発された。1本のアッセイチューブに検体前処理から測定に必要な試薬がセットされているため、検体をチューブに滴下し機器にセットするだけで、20分以内に自動で結果を表示する。従来法と比べて約1万倍の感度があり、発症初期の段階でウイルスを検出することができるという。
20分でインフルエンザA型、B型、RSウイルスを同時に検出
インフルエンザは重症化や二次感染を防ぐため、発症初期における迅速かつ正確な検査が求められている。しかし、初期段階での検出は従来法では難しく、見過ごされるケースが多々ある。またRSウイルスは、乳幼児の呼吸器感染症のもっとも頻度の高い原因ウイルスであり、2歳までにほぼ100%が初感染を受け、重篤な呼吸障害を起こすこともあるため、乳幼児の感染には注意が必要だ。成人では、頑固な咳や鼻水を伴う急性上気道炎がほとんどだが、免疫不全患者や抵抗力の低下した高齢者では重症化する場合もある。
同試薬は、これまで検出できなかった段階でのウイルス検出を可能にする。リアルタイムPCR法による高感度のウイルス検出や、小型遺伝子検査機器「コバス Liat」による簡単操作の簡便性が特徴。また、わずか20分でインフルエンザA型、B型、およびRSウイルスを同時に検出できる迅速性もある。ロシュ社は、同試薬が院内感染の防止対策や、臨床医学における基礎研究の分野で役立つものになると述べている。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース