調査は、私立薬大協加盟の57校(徳島文理大香川を含む)を対象に実施されたもの。今年度の定員は1万1351人と、前年度の1万1397人から46人とわずかに減少。6年制学科は1万0651人、4年制学科は700人となった。また、募集数は一般が7295人、推薦が3939人となり、昨年度に比べて一般が若干増加した一方、推薦は若干減少し、合計の募集数は1万1234人と昨年度よりわずかに増加した。
志願者数は、一般8万1716人(前年度8万6247人)、推薦1万4221人(1万4357人)、合計で9万5937人と、昨年度から4667人減少した。志願者数は、15年度から減少に転じて以来、5年ぶりに10万人を割り込んだ。志願者数の減少傾向は続いており、過熱した薬学人気もほぼ落ち着きを見せている。
それでも、志願者数は減少傾向が続く一方で、募集数に対する入試倍率は全体で8.5倍と、依然として競争率は高い。6年制の一般は11.2倍(11.8倍)、推薦は3.7倍(3.7倍)、4年制は一般が11.5倍(12.0倍)、推薦が2.5倍(2.6倍)と、いずれも一般入試では10倍を超えている状況に変化はない。
入学志願者数は、前年度同様に全体で4000人以上減少したものの、大学ごとの志願者数と倍率には大きな開きが見られる。入試倍率が平均の8.5倍を超えた人気のある大学は24校となった一方、平均倍率を大きく下回り、倍率が3倍に満たなかった大学は13大学、2倍を切った大学も4校あり、ついに1倍を割り込む大学も1校見られた。少子化が進む中、大学間格差はさらに広がっているようだ。
最も倍率が高く狭き門となったのは、近畿大で32.1倍(34.1倍)、次いで摂南大が25.7倍(26.6倍)、武蔵野大が19.9倍(23.0倍)となった。前年度に比べて倍率は下がっているが、前年度と同じ顔ぶれが並んだ。高倍率の上位校を見ると、東京理科大が16.9倍(16.8倍)、立命館大が14.9倍(14.5倍)、星薬科大が14.8倍(14.8倍)、帝京大が13.0倍(11.5倍)と続いており、概ね前年並みで人気は上昇傾向にある。
また、10倍以上と競争率が高かった大学は、福岡大12.6倍(13.7倍)、崇城大12.3倍(12.5倍)、神戸学院大12.1倍(17.3倍)、慶應義塾大11.9倍(12.5倍)、帝京平成大11.7倍(12.2倍)、明治薬科大11.6倍(11.8倍)、神戸薬科大11.0倍(12.1倍)、同志社女子大10.5倍(10.6倍)、東邦大と日本大が10.4倍(11.9倍、10.1倍)、昭和薬科大10.0倍(11.2倍)で、高い人気を集めていた。
倍率は4年制と6年制を区別せず、総定員数と総志願者数から割り出した。