2018年7月2日には潰瘍性大腸炎での承認を取得
武田薬品工業株式会社は7月18日、エンタイビオ(一般名:ベドリズマブ、開発コードMLN0002)について、中等症から重症の活動期のクローン病に対する治療薬として、厚生労働省に承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表した。同社は、2018年7月2日に厚労省より中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療および維持療法の治療薬として、同剤の製造販売承認を取得している。
エンタイビオは、標準療法または抗TNFα抗体による治療に対し効果不十分、効果減弱がみられた、もしくは不耐性である中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病に対する治療薬として、2014年5月に欧州および米国にて承認を取得している。現在、60か国以上で承認を取得しており、2018年5月時点で20万人年以上の患者に使用されている。
国内臨床第3相試験の結果は学会などで公表予定
クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が、小腸や大腸を中心とした消化管のあらゆる部位に非連続的に認められる進行性の疾患。現在、日本におけるクローン病の患者数は約4万人以上と推定されている。下痢、腹痛、発熱、体重減少、栄養障害の症状がよく見られ、正確な原因については明らかになっていないが、最近の研究では、遺伝素因や環境要因に加え、腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答などのさまざまな因子が関与する、多因子疾患と考えられている。
今回の申請は、中等症から重症のクローン病患者157名を対象に、導入療法および維持療法におけるエンタイビオの有効性、安全性および薬物動態を検討した国内臨床第3相試験「CCT-001試験」の結果、並びに中等症から重症のクローン病患者を対象としたエンタイビオの海外臨床第3相試験「GEMINI II試験」(対象患者数1,115名)および「GEMINI III試験」(対象患者数416名)の結果に基づくもの。CCT-001試験の結果は、今後学会などでの公表を予定している。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース