2015年より米・ジョスリン糖尿病センターと開発
日本イーライリリー株式会社は7月12日、米・ハーバード大学医学部付属ジョスリン糖尿病センターと共同で、日本の糖尿病診療における質の向上とそれに伴う患者の血糖コントロールと予後の改善に貢献することを目的として、糖尿病診療に関わる糖尿病非専門医および看護師を対象とした教育プログラム「ジョスリン糖尿病診療ラーニングプログラム」を開発。7月15日よりワークショップならびにオンラインプログラムの提供を本格的に開始すると発表した。
2015年、日本イーライリリーとジョスリン糖尿病センターは新たな医学教育プログラムの開発を開始。このプログラムは、日本の糖尿病患者のプライマリケアを主に担当する糖尿病非専門医および看護師の為にデザインされている。糖尿病診療における最新の治療プロトコル、薬剤および技術を習得する必要のある糖尿病非専門医と看護師は、同プログラムによって緊密な診療連携の実現と個々の患者の病態に適した診療方針の確立、糖尿病診療の質と治療アウトカムの向上を図ることができるようになるという。
プログラムの本格提供を前に、2017年に実施したパイロットプログラムでは、全てのワークショップ終了時に参加者19名(糖尿病非専門医13名、看護師6名)を対象に実施したアンケート(5段階回答方式)において、ワークショップ全体は「有益な時間の使い方であった」に対し、参加者の12名が「強く同意する」、7名が「同意する」と回答し、「看護に役立つ内容であった」に対し、参加者の13名が「強く同意する」、6名が「同意する」と回答した。
オンラインラーニングで自己学習も可能
ジョスリン糖尿病診療ラーニングプログラムは、2回のワークショップとオンラインラーニングの2本立てで構成されている。1回目のワークショップでは、プログラムの参加者がそれぞれの患者について匿名化されたデータを持ち寄り、全参加者の患者データの平均や分布と各自の患者データを比較することによって、それぞれの診療において改善の余地があるかどうか、それはどのような点かを探る。見出された改善点については、糖尿病専門医によるファシリテーションのもと、具体的な改善方法について参加者同士でディスカッションを行い、その後、施設ごとの具体的な改善プランに落とし込み、ワークショップ終了後から各施設で実行に移していくという。
1回目のワークショップ実施後半年以内に実施される2回目のワークショップでは、改善プランが実施されたかどうか、患者データが実際に改善されたかどうかを検討し、さらなる改善のための戦略を立てる。オンラインラーニングには、診断・治療に役立つコンテンツの動画講義や、糖尿病専門医へのインタビュー動画、ビデオクリップなどが用意されており、各ワークショップの前後に自由に自己学習をすることができるようになっている。なお、同プログラムは2018年7月以降、奈良県奈良市、北海道旭川市、愛知県東名古屋地区での開催が決定しており、以降全国でのプログラム展開を目指している。
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース