■厚労省まとめ
厚生労働省は、西日本を中心とした記録的な豪雨に関する11日時点の被害状況を公表した。薬局の被害は1府7県の192軒に拡大。床上浸水、床下浸水等の被害が広島県、岡山県や愛媛県でさらに広がり、新たに京都府、福岡県、山口県でも開局できない薬局が出ている。医薬品の供給については周辺薬局により地域でカバーされ、現段階で供給に支障はないという。避難所で交付される災害処方箋に対応するため、11日から岡山県薬剤師会の仮設調剤所が倉敷市保健所に設置された。
11日時点で浸水被害の発生が確認されたのは、広島県、岡山県、愛媛県、京都府、福岡県、山口県、兵庫県、高知県の192薬局。9日時点の53薬局から大幅に被害が拡大している。被害が広がる広島県では、さらに52軒の薬局で床下浸水等が発生し、そのうち17軒は浸水や断水により開局できない状況にある。
岡山県では、床上浸水の被害が岡山市で15軒、倉敷市で9軒、井原市で1軒、高梁市で2軒、矢掛町で1軒発生し、倉敷市の薬局9軒は開局できない状況にある。
愛媛県では、床下浸水等の被害が北宇和郡松野町で2軒、西予市野村で3軒発生し、西予市の薬局1軒は断水によって開局できない状況。また、床上浸水の被害を受けた宇和島市の薬局3軒は営業を再開したが、大洲市では14軒の薬局が床上浸水の被害を受け、そのうち5軒が開局できていない。松山市の薬局2軒も床上浸水の被害を受けたが開局できる状況にある。
京都府では、舞鶴市の薬局5軒が床上浸水の被害を受け、そのうち1軒は開局できず、福知山市の薬局1軒も浸水被害で開局できない状況にあるという。福岡県では、44軒の薬局が床下浸水等の被害を受けたが開局可能な状況。床上浸水の被害を受けた23軒の薬局のうち1軒は開局できていないが、1カ月以内に営業を再開できる見通し。山口県では、床上浸水の被害が岩国市で2軒、光市で2軒、下松市で1軒、下関市で3軒あったが、光市の薬局2軒は開局できていない状況にあるという。
被災地の支援活動としては、広島県薬剤師会が県内5地区(広島、坂、呉、尾道、三原)に公衆衛生チームとして薬剤師を派遣し、活動しているほか、その他の地区でも学校薬剤師が避難所の状況確認を行っている。薬剤師の活動として、岡山県内では10日から他の医療者と倉敷市内の避難所を巡回し、医薬品に関する相談に対応しているほか、避難所で交付される災害処方箋に対応するため、11日から岡山県薬剤師会が倉敷市保健所に仮設調剤所を設置している。