■業務フロー、PBPMで構築
薬剤師が医師の診察前に不眠を訴える患者に面談して詳しく話を聞き、適切な睡眠習慣を指導したり、睡眠薬の適正使用を医師に提案したりすることによって睡眠薬の処方量は大幅に減少することが、愛知県小牧市にある診療所「平松内科・呼吸器内科小牧ぜんそく睡眠リハビリクリニック」の5年間にわたる研究で明らかになった。医師と薬剤師の「プロトコールに基づく薬物治療管理」(PBPM)を導入し、業務フローや薬剤師の担当業務を明文化して関わってきた。診療所で働く薬剤師の新たな業務モデルとしても注目を集めそうだ。
同クリニックに勤務する薬剤師の伊藤光氏は、医師の診察前、不眠を訴える患者や睡眠薬を常用している全ての患者に面談する。初診の場合、不眠症なのか、無呼吸症候群の疑いはないかなど睡眠障害の要因や背景を評価。睡眠薬の要・不要を判断する。薬物治療は補助的な対処療法と位置づけ、患者の話をよく聞いた上で個々に応じた適切な睡眠習慣を指導し、睡眠薬の新規処方抑制に取り組んでいる。必要な場合でも不眠のタイプに応じた最適の睡眠薬を選択し、医師に提案する。