テセントリク・化学療法併用と化学療法単独を比較
スイス・ロシュ社は6月25日、「テセントリク(R)」(一般名:アテゾリズマブ)の第3相臨床試験IMpower133試験の最初の中間解析において、同試験の2つの主要評価項目である全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の延長が認められたことを発表した。同成績は今後の学会で発表される予定。
IMpower133試験は、化学療法未治療の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者を対象に、テセントリクと化学療法(カルボプラチンおよびエトポシド)の併用と化学療法単独(カルボプラチンおよびエトポシド)を比較し、有効性および安全性を検討した多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検国際共同第3相臨床試験。403名の患者が、テセントリク、カルボプラチンおよびエトポシド併用と、プラセボ、カルボプラチンおよびエトポシド併用の2群に1:1で割り付けられた。
治療導入期間中、患者は21日間の治療サイクルを4サイクル実施し、その後主治医がRECISTガイドライン(RECISTv1.1)による評価に基づき病勢進行(PD)と判断するまで、維持投与としてテセントリクもしくはプラセボを投与された。治療は、放射線画像診断に基づきPDと診断されるか、症状の悪化が認められるまで続けることが可能だった。
生存期間を延長させ、病勢進行・死亡リスクを低下
試験の結果、一次治療におけるテセントリクと化学療法の併用は、化学療法単独と比較し、ES-SCLC患者の生存期間を延長させ、病勢進行または死亡リスクを低下させたという。テセントリクと化学療法の併用における安全性は、これまでに各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、同併用療法による新たな安全性のシグナルは確認されなかった。
テセントリクは、日本において、2018年1月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応症で承認を取得し、4月に発売。また、3月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する他の抗悪性腫瘍剤との併用(一次治療)」を予定適応症として、承認申請を行っている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース