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キイトルーダ、局所進行性または転移性のMSI-Highがんで優先審査対象に-MSD

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2018年06月29日 AM11:15

厚労省「医薬品の条件付き早期承認制度」の適用に

MSD株式会社は6月27日、抗PD-1抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:(遺伝子組換え))について、局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性()がんの適応で、厚生労働省より6月22日付で「医薬品の条件付き早期承認制度」の適用が通知され、優先審査の対象となったことを発表した。

キイトルーダは、T細胞に主に発現する受容体PD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドPD-L1とPD-L2の相互作用を阻害する抗体。PD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することで、T細胞に生じたPD-1経路を介する抗腫瘍活性の抑制を解除する。同剤は、2017年2月15日に国内で販売を開始し、「根治切除不能な悪性黒色腫」、「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」の効能・効果で承認を取得している。

また、2018年3月30日には、「局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性がん」に対する効能・効果について、4月27日には「PD-L1発現にかかわらず進行・再発の非小細胞肺がん()に対する初回治療としてペメトレキセドおよびプラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)との併用療法」について、5月10日には「悪性黒色腫の術後補助療法」について、それぞれ製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。

転移性大腸がん患者の約3~5%にMSI-Highを示す腫瘍が

高頻度マイクロサテライト不安定性とは、傷ついた遺伝子の修復をする機能が低下していることを示すバイオマーカー。細胞は、細胞分裂にともなう遺伝情報の複製においてDNAの複製ミスが発生した場合、修復機構が働いてそのミスを修復している。この修復機構の機能低下によって、DNAの繰り返し配列(マイクロサテライト)が正常な細胞と異なる状態になっていることをマイクロサテライト不安定性(MSI)と呼ぶ。

MSI-Highを示す腫瘍は、、胃がんや膵臓がんなどの消化器系のがん、子宮内膜がんで最もよくみられる。また、頻度は低いものの乳がん、前立腺がん、、甲状腺がん等でもみられる。転移性大腸がんでは、患者の約3~5%にMSI-Highを示す腫瘍がみられる。共通のバイオマーカーに基づいてがん腫横断的に効能・効果を有するがん治療薬は、これまで国内にはない。(遠藤るりこ)

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