東アジア人2型糖尿病患者2,141例を対象に
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は6月25日、日本イーライリリー株式会社と共同で、「ジャディアンス(R)」(一般名:エンパグリフロジン)の大規模安全性データにおける東アジア人集団のサブグループ解析を第78回米国糖尿病学会において公表した。
これまでに1万2,500人以上の成人2型糖尿病患者を対象とした15の試験(EMPA-REG OUTCOME(R)試験を含む)と4つの延長試験からなる大規模安全性データの全体集団において、ジャディアンスは忍容性に優れ、下肢切断や骨折では、プラセボ群とジャディアンス群において不均衡が認められないことが報告されている。日本ベーリンガーと日本イーライリリーは、ジャディアンスの東アジア人集団での安全性データを検討することを目的として、大規模安全性データのうち、東アジア人2型糖尿病患者2,141例におけるサブグループ解析を行った。
有害事象の割合はプラセボ投与群と同程度
今回公表された解析は、プラセボ(N=709)、ジャディアンス10mg(N=724)、またはジャディアンス25mg(N=708)を投与された2型糖尿病患者が対象。有害事象は、ジャディアンスまたはプラセボを少なくとも1回服用した患者を対象として評価した。解析の結果、有害事象、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象の割合は、プラセボ投与群とジャディアンス投与群で同程度であり、ジャディアンスの忍容性は東アジア人患者においても認められ、全体集団と一貫した結果が得られたとしている。
低血糖症の発現割合はプラセボ群で8.9%、ジャディアンス10mg群で12.2%、ジャディアンス25mg群で9.7%。体液量減少の発現割合はプラセボ群で1.7%、ジャディアンス10mg群で1.2%、ジャディアンス25mg群で2.0%。性器感染症の発生割合はプラセボ群で0.3%、ジャディアンス10mg群で2.2%、ジャディアンス25mg群で2.4%。骨折の発現割合は、プラセボ群で1.6%、ジャディアンス10mg群で2.6%、ジャディアンス25mg群で1.6%。下肢切断は全体でジャディアンス10mg群の1例。下肢切断関連の事象(末梢動脈閉塞疾患、糖尿病足病変、感染症および創傷)の発現割合は、プラセボ群とジャディアンス群で同程度だった。
ジャディアンスは、1日1回経口投与の選択性の高いナトリウム依存性グルコース共輸送担体(SGLT2)阻害剤。欧州および米国をはじめ、世界各国で成人2型糖尿病患者の治療薬として承認されている。なお、日本国内におけるジャディアンス錠の効能・効果は2型糖尿病で、心血管イベントのリスク減少に関連する効能・効果は取得していない。
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・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース