症状自覚者は2,000人以上、進行すると歩行に困難をきたす場合も
コヴィディエンジャパン株式会社は6月19日、30代以上の男女40,000人を対象に、「下肢静脈瘤」の有病率、疾患認知度や理解度を把握することを目的に、「足の不調と疾患/下肢静脈瘤に関する意識調査2018」を実施、さらに足に「血管が以前と比べ透けて見える」、「血管が浮き出ている」、「血管にコブのようなものができている」などの症状がある2,240人を対象に、追加調査を実施し、その結果を発表した。
画像はリリースより
下肢静脈瘤とは、足の静脈にある弁の機能が何らかの原因で低下し、血液が逆流し、うっ滞する病気。次第に進行し、足の表面に血管が浮き出て蛇行する、皮膚がただれ変色する、潰瘍ができる、さらには歩行に困難をきたすこともある。加齢とともに発症率も上がるため、超高齢社会を迎えた日本での患者数は、今後増加するであろうと推測されている。
下肢静脈瘤は女性に多く、歳を重ねるほど増えていく。遺伝性があり、両親とも下肢静脈瘤の場合には、将来的にはその子供も90%発症するというデータもある。また、妊娠時にはホルモンの影響により静脈が柔らかくなって弁が壊れやすくなるため発症しやすくなる。立ち仕事、特に1か所に立ってあまり動かない仕事に従事する人は発症しやすく、特に1日10時間以上立っている人は重症化しやすい傾向にあるので注意が必要だ。また、肥満も下肢静脈瘤を悪化させる因子である。
進行することを知っている人は3割未満
今回の調査結果によると、下肢静脈瘤という病名自体の認知度は前回調査(2014年)から大きく上昇したものの、未だ症状のある人においても下肢静脈瘤の病名を知っている人は約半数(51.0%)に留まっており、症状と疾患が結びついていない傾向があった。また、女性や高齢者で下肢静脈瘤が多く見られ、30代、40代女性においては、症状を有していても病院での受診率は低いことが判明。さらに、症状を有していても下肢静脈瘤は「進行していく」ということを知っている人は3割にも満たず、疾患の理解はあまり進んでいない傾向にあることがわかったという。
横浜南共済病院の院長補佐、心臓血管外科部長、循環器センター部長の孟真氏は、プレスリリースで、「下肢静脈瘤に対しての認知度は少しずつ高まっている一方で、それが進行する疾患であることなどはあまり知られておらず、下肢静脈瘤についての理解はあまり進んでいないことがわかりました。下肢静脈瘤は進行すると湿疹など皮膚炎を合併し、さらに悪化すれば潰瘍にもなるため、適切なタイミングで治療を受けることが肝要です」と述べている。
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・日本メドトロニック株式会社 プレスリリース