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キザルチニブ、再発・難治性の急性骨髄性白血病対象P3試験でOSを有意に延長-第一三共

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2018年06月20日 PM12:30

AMLの約25%に認められるFLT3-ITD変異患者が対象

第一三共株式会社は6月18日、FLT3阻害剤キザルチニブの再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象とした第3相臨床試験(QuANTUM-R試験)について、スウェーデンのストックホルムで開催中の第23回「欧州血液学会(EHA)」のlate breakingセッションで発表し、その概要を公表した。

QuANTUM-R試験は、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML患者367名を対象とした欧米およびアジアにおけるグローバル第3相臨床試験で、主要評価項目は全生存期間(OS)。

FLT3-ITD変異は、AMLにおいて比較的頻度の高い遺伝子変異であり、AML患者の約25%に認められると考えられている。また、FLT3-ITD変異を有するAML患者は、変異のない患者と比べ、再発率が高く生存期間が短いとされている。

既存の化学療法剤投与群に対し、死亡リスクを24%減少

今回の試験における有効性について、キザルチニブは既存の化学療法剤と比較して、OSを有意に延長。キザルチニブ投与群は既存の化学療法剤投与群に対し、死亡リスクを24%減少させ、OSの中央値は、キザルチニブ投与群で6.2か月、既存の化学療法剤投与群で4.7か月だった。また、1年後生存率は、キザルチニブ投与群で27%、既存の化学療法剤投与群で20%だった。なお、安全性については、新たな懸念は認められなかったとしている。

第一三共は、この試験結果に基づき、再発または難治性のAML患者へキザルチニブを速やかに提供できるよう、国内を含めたグローバル承認申請に向けた準備を進めていくとしている。同剤は現在、この試験に加え、再発または難治性のAML患者を対象とした国内第2相臨床試験、およびAMLの一次治療の適応取得を目的とした国内を含むグローバル第3相臨床試験(QuANTUM-First)を実施中。

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