■全国初、解禁の試金石に
国家戦略特区で薬局薬剤師がパソコンやスマートフォン、タブレット等のテレビ電話で処方薬のオンライン服薬指導を行う事業が全国3区域でスタートした。政府は14日に開いた国家戦略特別区域諮問会議で、兵庫県養父市、福岡県福岡市、愛知県が提案した遠隔服薬指導の事業計画を承認。これを受け、3区域で薬局登録申請の受付が始まった。既に調剤薬局チェーンのアインホールディングスが18日、愛知県への事業登録の事前相談を開始したと発表。福岡市でも2薬局からの申請を受け付けており、全国初の取り組みとなる遠隔での服薬指導がいよいよスタートする。
国家戦略特区を活用したオンライン服薬指導事業は、薬局薬剤師が特区内の一定地域に居住する人に限定し、オンライン診療が行われた場合に、対面ではなくテレビ電話を使って服薬指導を行えるようにするもの。諮問会議での承認を受け、愛知県、福岡県福岡市、兵庫県養父市の3自治体は、15日からオンライン服薬指導に関する薬局登録申請の受付を開始した。
愛知県は「県薬剤遠隔指導事業」とし、18日から県医薬安全課が窓口となって登録申請の受付、事前相談の対応を始めた。申請対象は、県知事の許可を受けた薬局開設者(名古屋市、豊橋市、岡崎市、豊田市は除く)
特定地域は、西尾市一色町佐久島、新庄市、知多郡南知多町日間賀島、知多郡南知多町篠島、北設楽郡設楽町、北設楽郡東栄町、北設楽郡豊根町村。特定区域内でも薬局が近くにある場合は、事業の対象としていない。
福岡市は15日から募集を開始した。実施地域は、東区(勝馬校区、志賀島校区)、早良区(曲渕校区、脇山校区の一部[大字板屋、大字椎原])、西区(小呂校区、玄界校区、能古校区)。市保健福祉局健康医療部地域医療課が窓口となり申請書を受け付ける。市の審査を経て登録となる。遠隔服薬指導の登録は福岡市内の薬局を対象としている。
また、兵庫県養父市は、市内十数軒の薬局を対象に遠隔服薬指導を行う薬局を募集。兵庫県薬務課が窓口となり申請を受け付ける。申請に当たっては、対象薬局向けの事前説明会も開く予定という。
早速、特区でのオンライン服薬指導薬局の登録申請に動きが見られている。アインホールディングスが18日、愛知県への事業登録の事前相談を開始したことを発表した。早ければ7月頃にはオンライン服薬指導が開始される見通しだ。福岡市も15日時点で、2薬局からの申請を受け付けている。