COPD患者の増悪、統計学的有意に減少せず
英アストラゼネカ社と同社グローバルバイオ医薬品研究開発部門のメディミューンは5月30日、中等症から最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の成人患者を対象とした「ファセンラ(R)皮下注30mgシリンジ」(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え))の2つ目の第3相試験TERRANOVA試験のトップライン結果、COPD患者の増悪を統計学的に有意に減少するという、主要評価項目を達成しなかったと発表した。
ファセンラは、ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性により、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が、血中、気道の好酸球を速やかにかつ直接的に除去するモノクローナル抗体。現在、米国、EU、日本、カナダ、オーストラリアで承認され、その他数か国で承認申請中。重症の鼻ポリープ症に関する試験が行われている。日本での適応は「気管支喘息(既存の治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」。なお、現在承認されている適応症に対してGALATHEA試験とTERRANOVA試験の結果による影響はない。
2剤あるいは3剤併用の吸入療法に対する追加療法として
主要第3相試験であるGALATHEA試験とTERRANOVA試験は、ベースラインにおいて幅広い血中好酸球数を示し、増悪歴がある中等症から最重症のCOPD患者を対象に、2剤併用、あるいは3剤併用の吸入療法に対する追加療法としてファセンラを投与する群とプラセボ投与群を、56週間にわたり比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験。GALATHEA試験でも、主要評価項目を達成しなかったと発表されている。
TERRANOVA試験における安全性および忍容性の結果は、ファセンラのこれまでの試験で認められた結果と一致していた。全結果の評価は進行中で、結果は今後開催される学術会議に提出される予定。なお、現状、薬事承認申請は予定していないとしている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース