mOSは併用療法群で33.6か月
小野薬品工業株式会社は6月5日、米アレイ バイオファーマ社によるBRAF遺伝子変異陽性の進行悪性黒色腫を対象としたencorafenib(エンコラフェニブ)とbinimetinib(ビニメチニブ)の併用療法に関する第3相COLUMBUS試験の最新結果を発表した。この結果は、シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、口頭発表された。
COLUMBUS試験(NCT01909453)は、BRAFV600遺伝子変異陽性の局所進行の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者921例を対象に、ベムラフェニブ単剤療法およびエンコラフェニブ単剤療法と、エンコラフェニブとビニメチニブの併用療法の有効性および安全性を比較評価する2つのパートで構成された第3相国際共同無作為化非盲検試験。免疫療法による前治療は許容された。北米、欧州、南米、アフリカ、アジアおよびオーストラリアの200以上の治験施設が同試験に参加。患者は、無作為に2つのパートに割り付けられた。
今回発表された最新結果において、全生存期間の中央値(mOS)は、ベムラフェニブ単剤療法群の16.9か月に対し、エンコラフェニブとビニメチニブの併用療法群では33.6か月だった。併用療法群は、ベムラフェニブの単剤療法群と比較して、死亡リスクを軽減したという(ハザード比(HR)0.61、95%信頼区間:0.47-0.79、p<0.0001)。対照群のベムラフェニブの有効性も、これまでのデータと一貫しており、患者集団の背景およびCOLUMBUS試験の結果を立証する追加のベンチマークとなったとしている。さらに、併用療法の2年時点のOSは58%だった。
mPFSの最新結果は併用療法群で14.9か月
今回の発表では、治験後の免疫療法の使用が限定されていることを示すデータが含まれており、BRAF遺伝子変異陽性の進行悪性黒色腫を対象としたBRAF阻害剤およびMEK阻害剤で発表されている他のピボタル試験と一貫している。
また、無増悪生存期間の中央値(mPFS)の最新結果では、これまでに報告されているvemurafenib群の7.3か月に対し、encorafenibとbinimetinibの併用療法群の14.9か月(HR0.51、95%信頼区間:0.39-0.67、p<0.0001)で、引き続き一貫していたという。
小野薬品工業は、2017年5月にアレイ社とBRAF阻害剤のencorafenibおよびMEK阻害剤のbinimetinibに関するライセンス契約を締結し、小野薬品が日本および韓国で両剤を開発および商業化する権利を取得。2018年4月に「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」に対する効能・効果に係る両剤の国内製造販売承認申請を行っている。現在、両剤の併用療法によるBRAF遺伝子変異陽性の悪性黒色腫を対象とした臨床試験(COLUMBUS試験)およびBRAF遺伝子変異陽性の大腸がんを対象とした臨床試験(BEACON CRC試験)の2つのグローバル第3相臨床試験を実施している。
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・小野薬品工業株式会社 プレスリリース