■処方箋完全電子化の工程表も
政府の規制改革推進会議は4日、規制改革推進に関する第3次答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。医療・介護分野では、診療から薬の受け取りまで一貫してオンラインで完結できるよう、2019年度上期をメドに対面による服薬指導とオンラインによる服薬指導の組み合わせを実現させること、今年度中に処方箋の完全電子化導入までの工程表を作成・公表することなどを求めている。政府は答申内容を速やかに規制改革実施計画として策定した上で、閣議決定する方針だ。
医療・介護分野でテーマとして取り上げられた「一気通貫の在宅医療実現」は、患者が受診から服薬指導、薬の受け取りまで一貫して、オンラインで完結できるようにすることを目的としたもの。
現在のオンライン医療では、診療は「非対面」が認められているものの、薬剤師による服薬指導は対面が義務づけられているほか、オンライン診療を受けた場合でも、薬を受け取るには、郵送された処方箋か電子処方箋引換証を薬局に持参する必要がある。
これらの現状を踏まえ、答申では、今年度中に「薬剤師による対面服薬指導とオンライン服薬指導を柔軟に組み合わせて行うことについて検討し、結論を得る」ことを求め、検討の期限を「19年度上期に措置」とした。
処方箋の完全電子化の実現に関しては、16年3月に策定した「電子処方箋の運用ガイドライン」を今年度中に改定し、「19年度上期に措置」することを求めると共に、電子処方箋のスキームを完全に実現するまでの具体的な工程表を作成・公表すべきとしている。
診療報酬におけるオンライン診療の評価拡充も求めた。18年度診療報酬改定では、初診から6カ月は毎月同一の医師による対面診療を受けることなどが要件となっているが、移動困難な患者を考慮し、次期診療報酬改定に向けた要件の見直しを来年度中に行うべきとしている。
このほか、3月に作成された、厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の更新も要望。オンライン診療の技術発展やエビデンスの集積状況に応じ、今年度から少なくとも年1回以上、指針を更新することや、医療関係者の実務上の細かな疑問に対応できるQ&Aを作成することを求めている。
答申提出を受け、政府は速やかにこれら内容の実施計画を策定した上で、閣議決定する方針だ。