関節の炎症や破壊を抑制するJAK阻害薬「ペフィシチニブ」
アステラス製薬株式会社は5月31日、ペフィシチニブ臭化水素酸塩(一般名、開発コード:ASP015K)について、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)の適応症で、日本において製造販売承認申請を行ったと発表した。
ペフィシチニブは、アステラス製薬が創製した経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬。種々の炎症性サイトカインによる細胞内シグナル伝達を阻害することで、関節リウマチにおいて関節の炎症や破壊を引き起こす細胞の活性化や増殖を抑制する作用を有する。
アジアの各国の規制当局と申請に向けた協議を推進
今回の申請は、主に既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした2つのP3試験(RAJ3およびRAJ4)の結果に基づいている。RAJ3試験では、「投与12週時におけるACR20改善率(関節リウマチに関する特定の評価項目が20%以上改善された患者の割合)」を主要評価項目とし、RAJ4試験では、「投与12週時におけるACR20改善率」および「投与28週時の関節破壊抑制効果(mTSSのベースラインからの変化量)」を主要評価項目とした。
その結果、いずれの試験もプラセボ群に対する優越性を示し、主要評価項目を達成。両試験の安全性の解析結果は、これまでの臨床試験で認められた安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。両試験の結果の詳細は、今後の学会等で発表する予定だという。
なお、同社はRAJ3およびRAJ4試験の結果を受けて、アジアの各国の規制当局と申請に向けた協議を進めていくとしている。
▼関連リンク
・アステラス製薬株式会社 ニュース