医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 日本のRWD活用、医療DBの統合解析に課題-清水・東大特任准教授「海外とは周回遅れ」

日本のRWD活用、医療DBの統合解析に課題-清水・東大特任准教授「海外とは周回遅れ」

読了時間:約 1分51秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年05月30日 AM10:15

東京大学薬学系研究科・薬学部の清水央子特任准教授は26日、都内で講演し、実臨床でのレセプトや電子カルテなどのリアルワールドデータ()を活用し、医療の質向上につなげる日本の体制について、「フィンランドやデンマークなど海外に比べると周回遅れ」との認識を示した。「日本には医療ビッグデータがなく、散在する小規模な医療データベース(DB)を組み合わせてビッグデータにしようとしている」との方向性に対し、民間企業がそれぞれ提供するDBでは、統合した解析が行えず、活用に限界があると指摘。今後、個別に構築・運用されているRWDを相互活用できる共通プラットフォームの設計に加え、患者やその家族が医療情報の提供に協力できる環境整備を訴えた。

清水氏は、「登録された医師が登録された医療機関で、リスト化された診療行為によって、承認された医療用医薬品の処方を行い、調剤薬局が調剤するため、本来はデータが集めやすい」と海外に比べても優位な環境にあると指摘。その一方で、製薬企業が活用している医療情報を見ると、民間企業が運営する医療DBが中心となっており、海外に比べ「整備が進んでいない」と述べた。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【福岡厚労相が会見】ラグ・ロスの解消に意欲-官民一体で取り組む課題
  • 【安定確保策会議】承認書と相違44%で確認-後発品自主点検結果を公表
  • 【薬局団体連絡協議会】「リスト化で会員増」2割-地域薬剤師会の再編提言
  • 【消費者庁部会】紅麹問題でGMP指針改正-微生物原材料の食品対象
  • 【エーザイ】レカネマブ欧承認勧告-ApoEε4ホモ接合を除外