国内初、がん免疫療法薬2剤の併用療法の承認
小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は5月25日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ(R)点滴静注20mg、同100mg」(一般名:ニボルマブ)およびヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体「ヤーボイ(R)点滴静注液50mg」(一般名:イピリムマブ)について、根治切除不能な悪性黒色腫に対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表した。今回の承認は、国内で初めてのがん免疫療法薬2剤の併用療法の承認となる。
オプジーボおよびヤーボイは、国内ですでにそれぞれの単剤投与で「根治切除不能な悪性黒色腫」を対象に承認を取得している。今回の承認によって、オプジーボ1回1mg/kg(体重)とヤーボイ1日1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注、その後、オプジーボ1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する併用療法が可能となった。
ヤーボイ単剤療法と比較してOSを有意に延長
未治療の根治切除不能または再発の悪性黒色腫患者を対象に国内で実施した第2相非盲検非対照試験(ONO-4538-17試験)において、オプジーボとヤーボイの併用療法で、有効性の主要評価項目である奏効率(ORR)(中央評価)は、33.3%だった(95%信頼区間:17.3-52.8)。また、未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象に海外で実施された第3相無作為化二重盲検試験(Checkmate-067試験)において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、ヤーボイの単剤療法と比較して主要評価項目の全生存期間(OS)を有意に延長し、死亡リスクを45%低下させたという(ハザード比0.55[98%信頼区間:0.42-0.72]、p<0.0001[層別log-rank検定])。これらの試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、オプジーボ単剤療法およびヤーボイ単剤療法と比較して顕著な差は認められなかったとしている。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚の色と関係が深いメラニン色素の産生能を持つ色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍。皮膚がんの中でも転移率が高く、きわめて悪性度が高いとされている。日本での悪性黒色腫の患者数は約4,000人で、年間約700人が悪性黒色腫により死亡していると報告されている。
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・小野薬品工業株式会社 ニュースリリース