国民のおよそ25%が花粉症に罹患、うち約70%がスギ花粉症
鳥居薬品株式会社は5月24日、2017年9月27日に製造販売承認を取得し、2018年4月18日付けで薬価基準に収載された、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュア(R)スギ花粉舌下錠」について、2018年6月29日より販売を開始すると発表した。
画像はリリースより
スギ花粉症は、スギ花粉によって生じるアレルギー疾患の総称で、体の免疫機構が花粉に過剰に反応し、くしゃみ、鼻汁、鼻づまり、眼のかゆみ、涙目などの症状が現れる。全国調査によると、国民のおよそ25%が花粉症に罹患していると考えられており、そのうち約70%はスギ花粉症であると推察されている。また、スギ花粉症は若年から中年層に幅広く認められるが、近年では発症年齢の低年齢化が指摘されている。
販売中の「舌下液」よりも高力価な製剤
アレルゲン免疫療法は、アレルギー疾患の原因であるアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を治したり、長期にわたって症状をおさえる可能性のある治療法。シダキュアは、スギ花粉症に対する舌下投与のアレルゲン免疫療法薬であり、日本国内で初めて成人および小児などにおいて使用可能となった速溶性の舌下錠である。既に販売している「シダトレン(R)スギ花粉舌下液」よりも高力価の製剤であり、より幅広い適用年齢を有し、室温保存で、服薬のしやすさや利便性などを高めたことが特徴である。
なお、承認にあたっては、「舌下投与による減感作療法に関する十分な知識・経験をもつ医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師・医療機関のもとでのみ用いられ、薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること」という条件が付されている。
鳥居薬品は、シダキュアがスギ花粉症治療の新たな選択肢として定着し、患者の治療に貢献できることを期待するとしている。
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