ステロイド抵抗性患者対象の医師主導試験結果に基づき
中外製薬株式会社は5月24日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ(R)点滴静注用80mg、同200mg、同400mg」(一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え))の成人発症スチル病(スティル病)に対する効能・効果追加の承認申請を行ったことを発表した。
今回の申請は、医師主導臨床試験である「トシリズマブの成人発症スティル病に対する臨床試験」の結果に基づくもの。同試験は、副腎皮質ステロイド治療で効果不十分な患者を対象として、同剤の有効性および安全性を検証するため、プラセボを対照として実施した無作為化二重盲検試験である。2011年7月に国の「早期・探索的臨床試験拠点事業」の医薬品/免疫難病分野の拠点として選出された慶應義塾大学病院が主導となり、8施設の多施設研究として実施された。
患者数推計4,800人の指定難病「成人発症スチル病」
成人発症スチル病は、自己免疫疾患のひとつとされている。日本国内の患者数は4,800人と推計されており、国の指定難病となっている。通常16歳以上で発症し、39度以上の発熱、関節炎、淡いピンク色の皮疹の3つの症状を主徴とする。男女比は、1:1.3で女性に多いとされ、平均発症年齢は46.5歳で、比較的若年層に多いと言われている。発症原因は不明だが、白血球中の単球やマクロファージが炎症性サイトカインを大量に産生することで、体内に強い炎症が起こると推定されている。
現状では、副腎皮質ステロイドを用いた炎症の抑制が標準治療となっているが、ステロイド抵抗性の難治例に対して保険適応のある薬剤が存在せず、アンメットメディカルニーズの高い疾患とされてきた。同社は、同剤の承認取得に向け、今後も開発に取り組んでいきたいとしている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース