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【厚労省】適応外使用の実態明らかに-レベチラセタム、4歳未満にも

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2018年05月25日 AM10:15


■小児薬の処方データ分析

厚生労働省は22日、小児に対する投与の安全性が確立されていない医療用医薬品4品目について、小児への処方実態を初めて公表した。国立成育医療研究センターが2012年度から稼働させたデータベースの情報をもとにしたもの。抗てんかん剤のレベチラセタムについては、4歳以上の小児向けの用法・用量を設定しているが、実際は4歳未満の患者にも処方されているなどの実態が明らかになった。今後もデータの収集・解析を進め、将来的に添付文書の改訂などに活用したい考えだ。

小児用の医薬品をめぐっては、採算性の問題などから添付文書に小児の用法・用量を明記していない品目が医療用医薬品全体の6~7割を占めている。この現状を踏まえ、同センターは12年度から小児患者に投与された際の投与量データなどを全国の小児医療施設、クリニックから収集した上で、一元的に管理できるデータベースを整備する事業をスタートさせた。小児に使用される医薬品の安全性情報の収集・評価システムを構築し、小児用医薬品の開発につなげることを目指している。データベースは約25万人分の電子カルテデータを蓄積している。データの公表は今回が初めてとなる。

今回、小児に対する投与について、添付文書で「安全性が確立されていない」と記載している医療用医薬品のうち、、スピロノラクトン、フロセミドの4品目の12年度から4年間の処方実態を公表した。

抗血小板剤のアスピリンは、血管炎を発症する川崎病に対して小児の用法・用量を設定しているが、処方された小児患者のうち川崎病を有する人は2割で、川崎病でない人の3割以上が血栓に関する疾病を持っているとした。また、川崎病を有する幼児患者では、処方初期で1日平均処方量が高い傾向が見られた。

レベチラセタムは4歳以上の小児向けに用法・用量が設定しているものの、実際は4歳未満の患者にも処方されていた。

抗アルドステロン性利尿・降圧剤のスピロノラクトンでは、成人に限定して用法・用量を設定しているが、小児にも処方されていた。ただ、同剤が単独で処方された患者は少なく、利尿剤のフロセミドと併用、フロセミド単独で使用されたケースが多く見られた。

厚労省は今年度中にデータベースに蓄積させたデータを参加医療機関が無料で利活用できるようにし、将来的に添付文書の改訂などにも活用したい考えだ。

 

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