インヒビターを保有する血友病Aにおける出血傾向の抑制を効能・効果に
中外製薬株式会社は5月22日、抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体血液凝固第8因子機能代替製剤「ヘムライブラ(R)皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg」の販売を開始したことを発表した。
ヘムライブラは、「血液凝固第8因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第8因子欠乏患者(血友病A)における出血傾向の抑制」を効能・効果として、3月23日に製造販売承認を取得。インヒビターを保有しない血友病Aに対しては、2018年4月に承認申請を行っている。
日本国内の先天性血友病A患者約5,000人への効果に期待
ヘムライブラは、独自の抗体改変技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体。同剤は活性型第9因子と第10因子に結合し、血友病Aで欠損または機能異常をきたしている第8因子の補因子機能を代替する。自己注射が可能な週1回の皮下投与により、インヒビターが生じた血友病Aにおいて出血の抑制を実現できる抗体医薬品として期待されている。
先天性血友病Aは、血液凝固第8因子の先天的な欠乏もしくは機能異常により、血液凝固反応が正常に進まず、重篤な出血症状が反復して生じる疾患。日本では約5,000人が先天性血友病Aを有すると報告されている。現在の標準治療は第8因子製剤の定期補充療法だが、重症型の先天性血友病Aの25~30%において、治療効果を減弱するインヒビターの発現が認められる。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース