医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > エンティビオ、全世界での売上高「2019年度には30億ドル規模に」-武田薬品

エンティビオ、全世界での売上高「2019年度には30億ドル規模に」-武田薬品

読了時間:約 1分48秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年05月18日 AM08:00

18年3月期決算会見でウェバー社長が見通し語る

先ごろアイルランドの製薬企業・シャイアーを総額約6兆8000億円で買収することを発表した武田薬品株式会社のクリストフ・ウェバー社長は5月14日、2018年3月期決算説明会で同社の筆頭製品となっている潰瘍性大腸炎(UC)の生物学的製剤「エンティビオ」(一般名:、日本国内では承認申請中)について「2019年度には全世界での売上高は30億ドル(約3300億円)規模になる」との見通しを明らかにした。18年3月期のエンティビオの全世界での売上高は前期比40.6%増の2014億円。米国で前期比34.1%増の1336億円、欧州で前期比52.3%増の602億円となり、大きく業績をけん引した。


会見に臨むウェバー社長(左から2人目)ら

2019年度の30億ドル達成は、日本では潰瘍性大腸炎で承認申請中、クローン病(CD)でフェーズ3、中国では潰瘍性大腸炎、クローン病ともにフェーズ3、皮下注射製剤として潰瘍性大腸炎、クローン病ともに日米欧でフェーズ3であるなど、後期開発段階にあることを念頭に置いたものと思われる。

一方、こうしたエンティビオの伸長もあり、2018年3月期全体では売上高1兆7705億3100万円(前期比2.2%増)、営業利益2417億8900万円(同55.1%増)、当期純利益1867億800万円(同61.6%)の増収増益だった。

エンティビオ以外で増収傾向にある製品は、現在米国のみで販売しているうつ病治療薬のトリンテリックスが484億円(同51.6%増)、多発性骨髄腫治療薬のニンラーロが464億円(同58.1%増)。一方、エンティビオの好調以前に業績を支えてきた多発性骨髄腫治療薬のベルケイドは2017年末に米国で特許が失効したことで減収傾向に入り、1373億円(同0.2%減)だった。ベルケイドの今後の見通しについてウェバー社長は「今年度は50%減、600~700億円の減収となる」と説明したものの、エンティビオや後継のニンラーロの伸長などでこうした減収分はカバーできるとの認識を示した。

国内の医療用医薬品売上高、地域別セグメントで唯一の減収

日本国内の医療用医薬品売上高については、ファイザーとの肺炎球菌ワクチンのプレベナー、血友病B治療薬のベネフィクスの販売提携終了の影響を受け、前期比0.2%減の5014億円。地域別セグメントでは唯一の減収地域となった。国内の製品別売上高ではトップが降圧薬のアジルバの730億円(同9.1%増)、続いて酸関連疾患治療薬のタケキャブが551億円(同61.6%増)。タケキャブについては逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時の胃潰瘍再発抑制の適応で大きく伸長したことが増収につながった。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK